ホグワーツの先生たちは今……? 『ハリー・ポッター』シリーズで活躍した俳優のその後

『ハリー・ポッター』先生役俳優のその後

最年長ながら活躍をつづけるマクゴナガル先生

 ホグワーツの教授陣のなかでも、ハリーが1年生のときから彼を見守りつづけ、厳しくも愛情深い教師として多くのファンも獲得したミネルバ・マクゴナガル先生。彼女を演じたマギー・スミスは、現在88歳と最高齢ながら、『ハリー・ポッター』後も全く衰えない活躍を見せている。

 2012年には、ジュディ・デンチが主演をつとめ、イギリスの名優たちが集結した『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』に出演。人種差別主義者だったが、インドで現地の若者と交流するうちに考えを改めていくミュリエルを演じ、全米映画俳優組合賞助演女優賞ノミネートされた。同年の『カルテット!人生のオペラハウス』では、元音楽家ばかりが集まる老人ホームに入居した元プリマドンナで、過去にケンカ別れした仲間たちと再び演奏会を開くジーンを演じた。この作品で彼女は、ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)主演女優賞にノミネートされている。また舞台版で16年間主演を務め、2015年に映画化された『ミス・シェパードをお手本に』では、舞台にひきつづき、いつもの綺麗な身なりでしゃきっとした老貴婦人といったイメージとは全く違う、ホームレスの女性を飄々と演じている。

『ダウントン・アビー』イメルダ・スタウントン、マギー・スミス(Everett Collection/アフロ)

 彼女のキャリアのなかでも特筆すべきなのは、『ハリー・ポッター』シリーズと一部並行して出演していたテレビシリーズ『ダウントン・アビー』での活躍だろう。2010年から2015年にかけて放送された同作は、1912年から1925年のイギリス、ヨークシャーにある架空のカントリーハウス「ダウントン・アビー」が舞台。当時の社会情勢を背景に、貴族とその使用人たちの生活を描き、本国イギリスだけでなく世界中で人気を博した。マギー・スミスが演じたバイオレット・クローリーは先代伯爵夫人であるため気位が高く、保守的な考えの持ち主だ。それでいて家族への愛にあふれた彼女は、鋭い皮肉の効いたセリフを連発しながらも、愛すべき“おばあ様”として大人気となった。先述した2019年の映画版で、ヴァイオレットはイメルダ・スタウントン演じる王妃の女官でクローリー家の親戚でもあるレディ・モード・バグショーと、「ダウントン・アビー」の相続権をめぐってバチバチの戦いをくり広げる。続編では、出演時間は短いながらも、物語の1つの核としてバイオレットの過去にスポットが当てられた。魔法学校の教授から元プリマドンナ、ホームレス、そして貴族の未亡人を演じる幅の広さは、さすがとしか言いようがない。

 魔法界のエリートといえるホグワーツ教授陣を演じた俳優たちは、その多くが『ハリー・ポッター』シリーズ完結後もさらなる活躍をつづけている。もともとイギリスはもちろん、ハリウッドでも名の知れた俳優たちだが、彼らの年齢、そして『ハリー・ポッター』での共演者たちがすでに何人か他界していることを考えると、さまざまな作品で元気な姿を見せてくれることに感謝せずにはいられない。これからも“先生たち”の活躍に期待したい。

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