『呪いの子』に繋がる重要作 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の3つの見せ場

『ハリー・ポッター』第4作はシリーズ重要作

 いま『ハリー・ポッター』がきています。ゲーム『ホグワーツ・レガシー』がリリースされ、この夏は東京に映画『ハリー・ポッター』の世界を体験できる「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」がオープン。そして、上演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』も大人気です。こうした中、3月17日に映画シリーズの4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』が放送されます。

 『ハリー・ポッター』というと日本テレビ系列の『金曜ロードショー』のイメージが強いですが、今回はTBS系列。しかもなぜ4作目? 実はここがポイントです(笑)。前述の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、ホリプロとTBSが組んで展開しています。そして、この舞台は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』とリンクしたお話なのです。それはどういうことなのか解説していきましょう。

 まず、超大雑把に言って、『ハリー・ポッター』というのはどういうお話か? 赤ん坊の時に両親を亡くし、意地悪な伯父伯母の下で暮らしているハリー・ポッター。しかし、11歳の誕生日に魔法界からやってきた使者によって、自分が魔法使いの子であることを知らされ、ホグワーツ魔法魔術学校へ入学することになります。魔法使いとしての修行に励む日々。しかし、彼の人生にはもう一つ大きな秘密がありました。実はハリーの両親は闇の魔法使いと恐れられるヴォルデモート卿に殺されていたのです。そしてハリーはヴォルデモート卿と戦う宿命を背負って生まれて来た子だったのです。

 物語はハリーと仲間たちの成長とヴォルデモート卿の脅威を絡めながら進んでいきます。原作本は1巻につき、ハリーが学校に入ってからの1年を描きます。

 原作は英国の女性作家J・K・ローリングのベストセラー。映画化は2001年から始まり、これも大ヒット。日本でも熱狂的に支持され、なんと第1作目の興行収入は200億円を超えています。

 まさに21世紀最初のメガヒットシリーズ。マーベル・シネマティック・ユニバースより先に『ハリー・ポッター』の映画世界は始まったのです。ハリー役のダニエル・ラドクリフ、親友ロン役のルパート・グリント、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンもブレイクしました。映画の人気はこの3人の好演によるところも大きいです。

 そして、今回放送される『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は原作の4巻目を映画化しているので、ハリーが14歳になった時のお話です(碇シンジくんと同い年ですね)。本作の核となるのは100年に一度開催されるという三大魔法学校対抗試合。魔法界が誇る3つの学校からそれぞれ代表者を選び、3つの試練に挑戦させて競わせるというもの。スポーツ大会っぽいですが、ほとんどデスゲームです(笑)。

 第一の試練では獰猛なドラゴンと戦い、第二の試練では水中でホラー版人魚ともいうべき水魔からの攻撃を受けます。さらに第三の試練では自身のエゴに狂わされる悪夢のような迷路に放り込まれます。

 ハリー・ポッターはなぜかこの試合の代表者の1人に選ばれてしまい3つの試練に挑みます。タイトルの“炎のゴブレット”とは、この試合の参加者を選ぶ魔法の聖杯=ゴブレットを意味しています。なぜハリーがこのゴブレットによって試合の選手に選ばれてしまったのか? そこにはヴォルデモート卿の恐ろしい罠が……。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる