『ハリー・ポッター』ドラマ版は原作ファンも納得の内容に? 破格の予算規模のシリーズへ

『ハリー・ポッター』ドラマシリーズの展望

 4月12日(現地時間)に行われたワーナー・ブラザース・ディスカバリーの新作発表会にて、『ハリー・ポッター』ドラマシリーズの製作が正式に発表された。2021年頃から噂のあったこの企画が、ついにオフィシャルなものになり、多くのファンが歓喜している。イギリスの作家J・K・ローリングによる言わずと知れた大ベストセラー『ハリー・ポッター』シリーズは、全世界でシリーズ累計発行部数6億部を超え、実写映画計8作のシリーズ合計興行収入は約77億2300万ドルと大ヒットとなった。

 そんな大人気の『ハリー・ポッター』シリーズが、満を持してのドラマシリーズ化とあって、大きな注目を集めている。ここでは、今回の発表で見えてきた『ハリー・ポッター』ドラマシリーズの骨格はどうなっているのか、まとめて紹介し、その展望を探っていきたい。

ワーナーの新サービスMaxにて配信

Harry Potter Max Original Series | Official Announcement | Max

 まずワーナー・ブラザースは、同社の既存の動画配信サービスHBO MaxとDiscovery+を統合し、5月23日から新サービスMax(マックス)をスタートさせることを発表。『ハリー・ポッター』のドラマシリーズは、この新サービスのオリジナルタイトルのなかでも、目玉となるのは間違いない。そのほかにも、『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下、『GOT』)の前日譚『A Knight of the Seven Kingdoms(原題)』や人気コメディ作品『ビッグバン★セオリー』のスピンオフといった、注目度の高いラインナップが揃う。Maxは2024年にはヨーロッパとアジアの一部でサービスを開始すると発表されているが、日本での展開は未定だ。『ハリー・ポッター』のドラマシリーズは、2025年か2026年には配信されると見られており、そのころには日本でも同サービスのオリジナル作品を観られるようになっているのを期待したい。

『GOT』超え!? 映画並みの予算で「クオリティの高い作品を」

 新作発表会で、ワーナー・ブラザースのトップは『ハリー・ポッター』のドラマシリーズについて、これまでにヒットしたHBOドラマと比較しながら、「本作は『GOT』やその前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』と同等か、それ以上の規模になる。莫大な予算をかけてもクオリティの高い作品にする」と意気込みを語った。

 『GOT』の制作費は1話あたり約10億円とも言われ、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』はさらにその上を行く。1シーズンの総製作費は約280億円、1話あたり約28億円といわれ、どちらも映画並みの予算とクオリティで製作されたことで知られている。『GOT』ではVFXの表現に多くの予算が割かれていたが、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』では、物語の主な舞台となる城レッド・キープのシーンをCGを使わずにあらゆる角度から撮影するため、実物大のセットが建てられた。『GOT』とはまた違った予算の使い方で表現された荘厳な世界観には、眼を見張るばかりだ。

 それと同等、もしくはそれ以上の予算規模になるという『ハリー・ポッター』のドラマシリーズも、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のようにホグワーツの実物大のセットを建てたりするなら面白い。魔法を使うシーンや魔法生物たちはCGで表現することになるだろうが、そちらも潤沢な予算で納得のいくものに仕上げてくれそうだ。

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