第75回カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ 『最悪な子どもたち』12月9日公開決定

『最悪な子どもたち』12月日本公開へ

 第75回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリに輝いたフランス映画『Les Pires(原題)』が、『最悪な子どもたち』の邦題で12月9日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることが決定した。

 本作は、2022年の第75回カンヌ国際映画祭ある視点部門でのグランプリ受賞後、第15回アングレーム映画祭最優秀作品賞受賞、第20回アリス・ネッラ・チッタ ローマ国際映画祭最優秀女優賞受賞、第26回アメリカ・フランス映画祭最優秀新人作品賞受賞、第6回平遥国際映画祭観客賞受賞など、世界20カ国以上の映画祭で賞に選出されたフランス映画。

 ある夏の日、フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが開かれることから始まる物語。選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリ、怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、そして出所したばかりのジェシーの4人のティーンエイジャーたち。出来上がったシナリオは、彼ら自身をモデルにした物語だった。なぜ問題児ばかりが主役なのか。監督の狙いとは。住民たちが訝しむなか、波乱に満ちた撮影が始まり、予想外の展開が訪れる。

 監督を務めたのは、リーズ・アコカとロマーヌ・ゲレの新進監督コンビ。キャスティングディレクターや演技コーチとして数千人以上の若者と接してきた2人は、公開オーディションを題材とした短編『シャス・ロワイヤル』で監督デビューし、セザール賞短編賞にノミネート。その後、長期にわたる取材やキャスト探しを経て、初長編となる本作を完成させた。

 監督の2人はかねてより「なぜ映画というジャンルが、過酷な環境で生きる子どもたちに惹かれカメラを向けようとするのか?」と関心を持ったことが企画の始まりと語り、世代や文化の違いから生じるハプニング満載の展開で観客を楽しませると同時に、映画が個人やコミュニティにもたらす影響、作り手の倫理、社会格差といったテーマを鋭く突きつける。原題タイトル『Les Pires(原題)/The Worst Ones(英題)』にあるように、演技未経験の、“最悪”な子どもたちを配役した映画撮影の様子を捉えた本作。「映画の登場人物」を演じることで「自分自身」と向き合うことになった主人公たちが、はじめての体験に格闘し、違う世界に飛びこむことで、彼らのなかの何かが少しずつ変わっていく……。現実とフィクション、映画制作のプロセスと物語の間を絶え間なく行き来する、子どもたちの瑞々しくリアルで、演技が光る作品に仕上がっている。

 主人公の子ども4人を演じたのは、実際に北フランスの撮影地近くの学校や児童養護施設でのオーディションに参加し、選ばれた演技未経験の子どもたち。作中では、はみ出し者のレッテルを貼られた主人公たちが、映画の現場でさまざまな壁にぶつかりながら、自身の新たな可能性を発見していく過程を全身で体現する。アート系映画監督役には、『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』『オーバー・ザ・ブルースカイ』などで知られ、劇作家・映画監督としても活躍するヨハン・ヘルデンベルグが扮した。

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■公開情報
『最悪な子どもたち』
12月9日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
監督:リーズ・アコカ、ロマーヌ・ゲレ
出演:マロリー・ワネック、ティメオ・マオー、ヨハン・ヘルデンベルグ、ロイック・ペッシュ、メリーナ・ファンデルプランケ
配給:マジックアワー
2022/フランス/カラー/DCP/2.35:1/99分/原題:Les Pires/英題:The Worst Ones/字幕:横井和子
©Eric DUMONT - Les Films Velvet
公式サイト:www.magichour.co.jp/theworstones

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