『ONE PIECE』イニャキ・ゴドイが日本で人気急上昇 舞台裏映像から垣間見える人間性
尾田栄一郎による人気マンガを実写化したNetflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』は、8月31日から配信が開始され、世界93カ国の公式ランキングでトップ10入りを果たし、46カ国で初登場1位を獲得した(※1)。再生回数だけでなく、その評価も高く、日本のマンガをハリウッドで実写化した作品としては異例とも言えるほどの大好評となっている。
その高い評価の一因となっているのは、間違いなく「麦わらの一味」のキャスティングだ。以前、ゾロ役の新田真剣佑が世界中で人気を獲得していると紹介したが、日本ではルフィ役のイニャキ・ゴドイに熱い注目が集まっている。メキシコ出身で主要キャストのなかで最年少の20歳、“キキ”の愛称で親しまれるゴドイ。作品の顔、そして「麦わらの一味」船長として、ドラマ『ONE PIECE』の先頭に立つ彼に対する日本の視聴者の反応をまとめてみよう。
新田真剣佑、『ONE PIECE』ゾロ役で人気急上昇! 海外で“Mackenyu旋風”に
Netflixシリーズ『ONE PIECE』が8月31日から配信され、日本のマンガ原作のハリウッド実写化作品としては大成功と言え…
SNSで「ルフィすぎる!」と話題に
まずSNSでの反応を見てみると、驚くほど絶賛の声で埋め尽くされている。X(旧Twitter)では「イニャキ・ゴドイがルフィすぎる!」「ルフィにしか見えない」「イニャキが初期ルフィの一見能天気に見えるけど、実はなに考えてるのかわからない底知れない大物感も醸し出していてすごく良い!」といった、いかにゴドイのルフィがハマり役であるか、驚きと喜びを含んだコメントが散見される。また一方で、実写オリジナルの要素についても「ルフィがシリアスで弱いところも見えるのが印象的で、このへんあまり原作序盤にはない感じだったけど、イニャキ・ゴドイが演じるルフィにはすごくぴったり」という、ただのモノマネではなくゴドイ自身が独自の、しかしキャラクターのイメージを逸脱しないルフィ像を築いていることを指摘する声も上がっている。
そんなゴドイの“ルフィっぽさ”は、原作者で本作のエグゼクティブプロデューサーも務めた尾田栄一郎のお墨付きだ。配信開始前には、「『こんなシーンルフィらしくないでしょ!!』と言ってたのに撮影してみると……『イニャキルフィなら成立してる……! むしろイイ!!』ってシーンもたくさんありました」と自筆コメントで紹介し、ファンの期待を煽っていた(※2)。
ハリウッドだけでなく、国内でもマンガの実写化が相次ぐ日本では、俳優のキャラクター再現度に特に注目が集まることが多く、その視線は厳しいものになりがちだ。そんななか、イニャキ・ゴドイは天性の天真爛漫さと演技力の高さで、見事に原作に忠実な、そして独自のルフィを演じきっている。
舞台裏映像から垣間見える人間性
そんなイニャキ・ゴドイは、彼の人間性そのものの“ルフィっぽさ”も注目を集めている。7月2日にNetflix公式YouTubeチャンネルで公開された日本語吹き替えキャスト発表の動画では、彼はアニメシリーズで長年ルフィを演じてきた田中真弓と対面し、興奮を隠せない様子を見せている。言葉の壁はありながらも田中と言葉を交わし、彼の人懐っこい性格が垣間見える。最後には一緒に「海賊王におれはなる!」の決めゼリフを日本語で披露し、シャンクスがルフィにしたように、田中からルフィの麦わら帽子を授かる場面も。新田真剣佑はこの様子に「鳥肌が立った!」とコメントしているが、同じように感じた視聴者も多いのではないだろうか。
また集英社ジャンブ編集部に訪問した際の動画でも、チョッパーのぬいぐるみなど『ONE PIECE』関連のおもちゃを見つけてはしゃいだり、ゴムゴムの実のぬいぐるみにかじりつく場面もあり、陽気で飾らない性格が見て取れる。編集部の人たちとも積極的に交流し、ルフィを演じることについて、「皆さんに誇ってもらえるよう、この作品と喜び、友情、勇気を世界中に届けられるよう全力を尽くします」とも語った。
そのなかで特にファンの注目を集め、好評を博したのは、尾田栄一郎との対談だ。おもちゃ箱のような尾田のアトリエを訪問したゴドイは、ついに尾田と対面を果たし、興奮気味で喜びを全身で表現。対談中は文字通り尾田と膝を突き合わせ、その距離感の近さもルフィ味を感じさせる。尾田は「実写化で一番心配だったのが、ルフィのような人間が見つかるのかっていう話」と明かしたが、つづけて「イニャキくんを見たときに、ちょっと笑っちゃった」、「僕の描くマンガみたいな人だと思ったから。直感的に“ルフィだ”って思った」と絶賛している。ゴドイは「長くルフィを演じるのが僕の願いです」と語る。20年以上つづく原作のどこまでが実写化されるかは今のところ未知数だが、尾田が「本当にそうしてほしい。(ルフィ役は)君以外想像できない」と返すと、彼は感極まり、目に涙を浮かべた。
これらの動画を見てみると、天真爛漫、陽気で飾らない性格のイニャキ・ゴドイは、もともとルフィに似た特性を持っているように思える。