『ブギウギ』銭湯のステージで花開いたスターの夢 訳ありな回想シーンは今後にどう影響?

『ブギウギ』銭湯で花開いたスターの夢

 合格発表の瞬間は、何度経験しても落ち着かないもの。『ブギウギ』(NHK総合)第4話では、鈴子(澤井梨丘)がスターの登竜門に挑んだ。

 親友のタイ子(清水胡桃)がもらした一言で、花咲音楽学校の存在を知った鈴子。小学校を卒業したら実家の銭湯「はな湯」を継ぐつもりだった鈴子に、進路の悩みができた。自分が本当は何をしたいのか。前話で、母のツヤ(水川あさみ)から「人は、自分が『これや』って思うことで生きていくんがええ。そういう場を探していかなあかん」と聞いて、周囲の人々の仕事に意識が向くようになった。

 鈴子の才能がどこにあるかは、はな湯の看板娘として登場した第1話ですでに明らかになっており、タイ子や担任の田山先生(大塚宣幸)も鈴子の歌を認めていて、気付いていないのは本人くらいだ。ゴンベエ(宇野祥平)との会話で、自分の歌が誰かのためになっていると知り、やりたかったことが心の中に舞い降りた。

<熱い思ひを胸にこめて/疑いの霜を冬にもおかせぬ/我が心のただひとりよ>

 浴場をステージに見立て、スポットライトを浴びる未来のスター。事前予告通り、ドラマのポイントになる場面で、歌と踊りのパフォーマンスが披露された。なお、鈴子が歌う「恋はやさし野辺の花よ」は、スッペ作曲のオペレッタ「ボッカチオ」の劇中歌を日本語に翻訳したもので、大正時代に浅草オペラから生まれた流行歌である。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で、みね子(有村架純)たちがコーラスで歌っていたので、覚えている人もいるかもしれない。

 花咲音楽学校を受けたいと鈴子から聞いた両親は娘の成長を喜ぶ。眠りに就いた子どもたちを見ながら、父の梅吉(柳葉敏郎)は「ツヤちゃんの言うとおりやった」と、妻の教育方針をたたえた。零細な銭湯を営む花田家は学費の算段が立たないが、それでも何とかしたいという親心が伝わってきた。

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