『今際の国のアリス』S3は完全オリジナルストーリーに? 物語の鍵を握るジョーカーとは

『今際の国のアリス』S3はどんな物語に?

 シーズン3制作発表に際して佐藤監督が「まったく誰も知らない、新たな旅が始まります。さらなるゲーム。さらなるプレイヤー。一体敵は、誰なのか? 生き残るのは、誰なのか?その答えを知る者はいない未知なる旅」とコメントしているように、キャストを一新させて原作勢も結末がわからない章を作ろうとしているのかもしれない。(※)

Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3制作決定 山﨑賢人&土屋太鳳が続投

Netflixシリーズ『今際の国のアリス』シーズン3の制作が決定した。  本作は、2010年から2016年まで『週刊少年サンデ…

 しかし、キャストについて考えるとすでに山﨑と土屋は続投が決定している。このことも含め、原作の続編となる新章『今際の国のアリスRETRY』を映像化する可能性も高いのだ。本作は臨床心理士になった26歳のアリスが、自分との子供を身籠ったウサギの待つ自宅に帰る途中で死にかけてしまったことで、再び“今際の国”に行ってしまう……という物語。「生きること」について十分に考えさせられたアリスが、今度は「生かすこと」について考えさせられる本作のテーマは、佐藤監督が制作発表コメントで言及した“残された欠片”としてピッタリだ。しかし、本作は全2巻という短い続編。そのため、『今際の国のアリスRETRY』を映像化する可能性は高いものの、それだけでシーズン3が作れるとは考えにくい。

 そこでヒントになり得そうなのが、先日Netflix公式ソーシャルに投稿された、「謎の広告」。そこには10枚のトランプが並んでいた。そのうちの一枚となる「スペードの3」が、ドラマでは山下智久が熱演したキューマが、国民になる前の一般参加者として参加した“げぇむ”「てえまぱあく」の難易度「すぺえどの3」と重なるのだ。つまり、原作で少し描かれた国民たちの過去編を描く物語になるのかもしれない。そうなれば、ドラマ版で世界的に演技が高く評価された山下や仲らの再演も期待できそうだ。

 他にも映像化される可能性が高いのは、スピンオフにして続編と言われる『今際の路のアリス』。今度は女子高生の主人公がアリスとして、新たな“今際の国”に迷い込み“げぇむ”に参加することになる。全8巻からなる本作は、それこそキャラクターも物語も一新されて独立した物語のため、山﨑演じるアリスや土屋演じるウサギとの接点を作るのが難しい。やはり、現時点のキャスティングと広告のイラストからしてシーズン3は「過去編+RETRY」という内容になっていくのだろうか。

 原作者の麻生羽呂は、現在アニメが放送中で話題の『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』の原作者としても知られている。『ゾン100』は『今際の国のアリス』の後に手がけた作品だが、どちらも“生きること”について考えさせられる点では作品のテーマ性が似ている。実写版『今際の国のアリス』は豪華キャストによる演技、刺激的なデスゲームの様子が人気を博したが、特にシーズン2では“生きる意味”を考えること、そして“答えがなくて良いこと”を何度も登場人物のセリフを通じて、我々に訴えかけていた。その深みのあるテーマ性が(思わずワクワクドキドキ、ハラハラしてしまうようなデスゲームも含めて)シーズン3でも健在であることを期待したい。

参考

https://realsound.jp/movie/2023/09/post-1445367.html

■配信情報
Netflixシリーズ『今際の国のアリス』
シーズン1・2:Netflixにて独占配信中
シーズン3:Netflixにて配信予定
出演:山﨑賢人、土屋太鳳
原作:麻生羽呂『今際の国のアリス』(小学館『少年サンデーコミックス』刊)
監督:佐藤信介
エグゼクティブ・プロデューサー:坂本和隆(Netflix)
プロデューサー:森井輝、高瀬大樹
制作協力:株式会社THE SEVEN
企画・制作:ROBOT
©麻生羽呂・小学館/ROBOT

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