『今際の国のアリス』S3は完全オリジナルストーリーに? 物語の鍵を握るジョーカーとは
Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』から、新たにシーズン3の制作が発表された。監督は前2シーズンを手がけ、映画『キングダム』シリーズでもお馴染みの佐藤信介、そしてW主演の山﨑賢人、土屋太鳳の続投も決定している。
※本稿には『今際の国のアリス』シーズン2最終話までのネタバレが含まれます。
『今際の国のアリス』はシーズン2を以ってして完結されたかと思われていたが、どうやらそうではないようだ。ハートのクイーンであるミラ(仲里依紗)を倒し、ついに“げぇむ”を全てクリアした主人公のアリス(山﨑賢人)とウサギ(土屋太鳳)。瀕死になっていた仲間たちも含めて、“今際の国”にいる者たちは「永住権を手にするか、しないか」尋ねられた。多くのメインキャラクターが「手にしない」と答えるも、「どくぼう」に参加した死刑囚のバンダ(磯村勇斗)や、支配欲の強いヤバ(毎熊克哉)など「手にする」と答えたキャラクターもいる。そして、「手にしない」と答えたキャラクターたちは現実世界で目を覚まし、自らが隕石の落下した渋谷で怪我を負い、心肺停止状態で“今際の国”を彷徨っていたことが判明した。
不思議な集団臨死体験を経た登場人物たちは、“今際の国”での記憶をなくしているがアリスとウサギのように「どこかで会ったことがあるかも」と不思議な感覚を持っている。各々が病院で過ごす最終話、庭のテーブルで広げられていたトランプの中から不気味な笑みを浮かべて姿を現したのが、「ジョーカー」のカードだった。まだ1枚、残っている。そんな不穏なラストシーンの演出もあって、シーズン3の制作は以前から噂されていたのだ。
物語の鍵は「ジョーカー」
シーズン3の制作発表とともに公開されたビジュアルからも、この「ジョーカー」がかなり重要な存在になっていく予感。実は「ジョーカー」は、原作では「永住権の有無」に答えたアリスの前に姿を現している。「私が神に見えるのか、それとも悪魔に見えるのか」、アリスに質問する真っ黒な人形の影「ジョーカー」は、原作の中では人々を乗せて三途の川を渡る船の船頭である“鬼”として比喩され、アリスからは“中間管理職”とも言われていた。
とはいえ、原作でも「ジョーカー」の出番はこれくらいで、その後の展開はドラマと同じようにみんなが現実世界で目覚める。だからもし、この「ジョーカー」をラスボスに据えた新章を描くのだとすれば、原作にない完全オリジナルストーリーとなるだろう。