『劇場版シティーハンター 天使の涙』は何度でも楽しめる! 愛され続けるシリーズの凄み

愛され続ける『シティーハンター』の凄み

 さて、公開中の映画『天使の涙(エンジェルダスト)』だが、原作のキャラクターでありながら80年代のTVアニメでは最後まで出番がなかった、冴羽獠の育ての親・海原神がようやく本編に登場。エンジェルダストとは原作では麻薬の名称であるが、映画の中では設定がやや変えられている。そのエンジェルダストを開発した組織のボスである海原がどのような動きを見せるか。すでに映画を観られた人ならご存じの通り、今後への含みを持たせた展開故に、さらなる新作映画も作られるのではなかろうか。

 『天使の涙(エンジェルダスト)』は、前作『新宿プライベート・アイズ』と同じく新宿のシネコン、TOHOシネマズ 新宿が出てくる他 、新宿西口にある商店街“思い出横丁”、新宿南口の商業施設ルミネ新宿付近など、東京在住の人にはお馴染みの見慣れた新宿駅周辺が現われる。映画の開幕早々、防犯カメラに筋肉を見せつける海坊主(声:玄田哲章)を見た警備員が「ムキムキマッチョの変態だ」と漏らす台詞が、玄田が吹替を担当する映画『コマンドー』(1985年)のパロディだったり、『シティーハンター』と同じ制作会社ということで、ガンダムに絡めたちょっとしたファンサービスありで小ネタも多い。槇村香が振り下ろす巨大ハンマーに「続編希望 まだまだ行けます!」と書かれたギャグが、いざ映画を観終わると「あながちギャグじゃなかったのかな?」と思わせるところなど、美術やネタの数々は1度ならず2度、3度と観直すとさらに楽しめる娯楽映画だ。

■公開情報
『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』
全国公開中
キャスト:神谷明、伊倉一恵、田中秀幸、一龍斎春水、玄田哲章、小山茉美、戸田恵子、深見梨加、坂本千夏、関智一、木村昴、沢城みゆき、堀内賢雄
原作:北条司
総監督:こだま兼嗣
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:高橋久美子、北澤精吾
音楽:岩崎琢
エンディングテーマ:TM NETWORK「Get Wild」
配給:アニプレックス
©北条司/コアミックス・「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会
公式サイト:cityhunter-movie.com
公式X(旧Twitter):@cityhuntermovie

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