宮沢りえと磯村勇斗による“いのち”をめぐる戦い 石井裕也監督作『月』予告編公開

宮沢りえ主演映画『月』予告編公開

 10月13日に全国公開される宮沢りえ主演映画『月』の予告編が公開された。

 本作は、実際の障害者殺傷事件をモチーフにした辺見庸による小説『月』を映画化したもの。十代の頃から辺見の作品に魅せられてきたという『茜色に焼かれる』『愛にイナズマ』などの石井裕也が、原作を独自に再構成し映画化した。

 深い森の奥にある重度障害者施設。ここで新しく働くことになった堂島洋子(宮沢りえ)は“書けなくなった”元・有名作家。彼女を「師匠」と呼ぶ夫の昌平(オダギリジョー)と、ふたりで慎ましい暮らしを営んでいる。施設職員の同僚には作家を目指す陽子(二階堂ふみ)や、絵の好きな青年さとくん(磯村勇斗)らがいた。そしてもうひとつの出会いーー洋子と生年月日が一緒の入所者、“きーちゃん”。光の届かない部屋で、ベッドに横たわったまま動かない“きーちゃん”のことを、洋子はどこか他人に思えず親身になっていく。しかしこの職場は決して楽園ではない。洋子は他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにする。そんな世の理不尽に誰よりも憤っているのはさとくん。彼の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく。そして、その日はついにやってくる。

映画『月』予告編

 公開された予告編は、 洋子が山奥にある障害者施設に赴任し、陽子やさとくんが障害者と交流をしている様子から始まる。次第に疲弊していく洋子にさとくんが「変えたほうがよくないですか?」と目を真っ直ぐに見つめながら話す様子も。さらに、衝撃的な行動に出るさとくんと、取り乱しながらも「私はあなたを絶対に認めない」と人を傷つけることに対して否定する洋子の様子や、不穏な様子で森の中を歩く陽子の姿も映し出されている。

 なお本作は、10月4日から13日にかけて開催される第28回釜山国際映画祭ジソク部門への出品が決定している。

■公開情報
『月』
10月13日(金)より、新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開
出演:宮沢りえ、磯村勇斗、長井恵里 、大塚ヒロタ 、笠原秀幸、板谷由夏、モロ師岡、鶴見辰吾、原日出子、高畑淳子、二階堂ふみ、オダギリジョー
監督・脚本:石井裕也
原作:辺見庸『月』(角川文庫刊)
音楽:岩代太郎
企画・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸   
製作:伊達百合  竹内力 プロデューサー:長井龍 、永井拓郎
アソシエイトプロデューサー:堀慎太郎、行実良
制作プロダクション:スターサンズ 
制作協力:RIKIプロジェクト 
配給:スターサンズ
2023年/日本/144分/カラー/シネスコ/5.1ch
©︎2023『月』製作委員会
公式サイト:tsuki-cinema.com

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