『シッコウ!!』脚本家・大森美香インタビュー “執行官”をドラマにしようとした背景とは?

『シッコウ!!』脚本家・大森美香が語る

想像を超えてきたシーンは?

――脚本の仕事をされていると、現場で監督と役者さんが作りあげていくものが、いい意味で想像を超えてくることもあるんですね。その辺りのギャップは楽しんでいますか。

大森:すごく楽しんでいます。過去には「なんだ、こりゃー!」ということもありましたが、今回はとても楽しんで観ております。

――皆さんの現場でのセッションはいい方向に進んでいるんですね。

大森:役者さんもスタッフも、皆さんでコミュニケーションを取りながら撮影を進めていたんだろうなと思える、仲の良さそうな雰囲気を感じました。

――作中で、「ここが想像していたものとは違った」という素敵なアプローチがあれば教えてください。

大森:私が好きだったのは、第1話で小原が「ケースクローズド、一件落着」「また、どこかで(会おう)」と去ってしまった後に、「またとか、ないし」とひかりが言ってから、反対側を振り返って去っていく家族を見つめます。そのときに、ひかりの髪がかすかに風に揺れていたシーンですね。あそこの表情がすごくいいなと思って観ていました。彼女の気持ちになると胸がキュンと締め付けられて好きなシーンなのですが……ちょっとマニアックですよね(笑)。

――そのシーンは印象的なので私もよく覚えています。ご自身が書いたセリフのシーンでなく、役者さんが行間を読んで演じたシーンをあげていますが、そういうところもやはりしっかりとご覧になっているんですね。

大森:お恥ずかしいです。あとは小原さんが「私はそんなに偉い人じゃない」と言っているところも、私が思っていた言い方と全然違う優しい感じで、そこが大人だなという印象で好きでしたね。それから、栗橋くんの「チリンチリン」は台本には書いていなかったので、「チリンチリン」しているところは面白いなと思いました。「無事の落着を」という台詞は「栗橋の存在でみんなが安心して執行に行けるシーン」として作っていたので、ちゃんと印象付いていていいなと思いましたね。

――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします。

大森:本作は、皆さんの身近にいそうな人たちを切り取って書いています。「こんなことがあるかも」とか「こんなことが周りにあったらどうしよう」というふうに、ひかりや皆さんと一緒に入り込みながら観ていただければ。毎話いろいろな執行をされる人が出てくる中で、ひかりを中心に小原、栗橋、みんなが成長していく姿を観ていただきたいですね。様々なゲストの人たちとの出会いによってレギュラーの登場人物たちも成長し、新たな一面もどんどん見えてきますので、ぜひ最後まで楽しみに観ていただけると嬉しいです。出演者の皆さんがとても忙しそうなので難しいかもしれませんが、私としてはシリーズ化されたらいいなと思っています。

■放送情報
『シッコウ!!~犬と私と執行官~』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:伊藤沙莉、中島健人(Sexy Zone)、織田裕二、笠松将、ファーストサマーウイカ、六角精児、菅原大吉、駒井蓮、モロ師岡、宮崎美子、渡辺いっけい、勝村政信
脚本:大森美香
音楽:得田真裕
ゼネラルプロデューサー) 横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー) 川島誠史(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)
演出:田村直己(テレビ朝日)、星野和成、高橋貴司
原案:小川潤平『執行官物語』
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日

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