2023.08.30 12:00

横浜流星×橋本環奈が語り合う、俳優としての将来像　初共演で感じた印象の変化も

文・取材＝宮川翔、写真＝池村隆司

“得るものしかなかった”佐藤浩市の存在

ーー横浜さんは広岡仁一役の佐藤浩市さんとは今回が初共演だったんですよね。W主演という立ち位置でもありましたが、初めて共演されてみていかがでしたか？

横浜：浩市さんはこちらに寄ってきてくださる、すごく優しい方です。そういう方ってなかなかいない。だから現場で浩市さんの行動をずっと見ていました。学べるところはすべて吸収しようと思っていたので。

ーー橋本さんは過去にも共演されていますよね。

橋本：私は『映画ネメシス黄金螺旋の謎』と『キングダム』の2作目と3作目で同じ作品には出ていたんですけど、前者は共演シーンがなくて、後者はほとんど絡みがなかったので、これだけ一緒にお芝居をするのは今回が初めてで。だから最初はすごく緊張していました。でも、一緒にお芝居をしていると、すごく包まれる感じになるんですよね。それがとてもやりやすくて。浩市さんから発せられるエネルギーが本当にすごいので、同じ船に乗ればいいんだという安心感が生まれるんです。言葉にすると安っぽくなっちゃうんですけど、いままでに経験したことのないような凄みを感じました。

横浜：本当に得るものしかないですよね。だから自分は先輩方と積極的に共演していきたいなと思っています。

ーーそれは俳優としての将来も見据えてですか？

横浜：どんなでしょうね……。わからないですけど、信頼できる人たちと作品を作っていきたいという気持ちがあります。とはいえ、自分がやりたいことだけをやっていると傾く部分もあって。自分は恋愛の作品で多くの方に知ってもらえて、「そろそろ恋愛ものが観たい」という声を、ファンの方やプロデューサーさんやスタッフさんからいただくことが最近増えてきたので、その辺りはバランスよくやっていきたいなとは思っています。

ーー橋本さんは自身の将来像について、どのように考えていますか？

橋本：このお仕事って、セルフプロデュースだったり、自分を客観視できていないとなかなか難しい仕事なのかなと思っていて。自分自身がどういう立ち位置にいるか、見て見ぬふりはできないというか、嫌な部分も含めて客観視しなきゃいけないと思うんです。自分がどう見られたいかも含めて、私はそういうことを結構考えてはいるんですけど、やっぱり年齢とともに変化している部分は大きいし、そこはずっと近くで支えてくれているスタッフの意見を大切にもしています。

ーー10代と20代では違うと。

橋本：10代のときは学生役がとにかく多かったんですけど、20代になって年齢を重ねていくことで、そうじゃない役も増えてきて。でも、20代になっても学生役が求められることがあるのもわかるんですよね。私自身はリアルな物語のほうが好きだったりするんですけど、でも自分にはファンタジー要素がある作品のほうが向いているのもすごくわかる。そういうことをちょこちょこ考えながら、実際に作品が世に出てから世間の反応を見て、気づくこともすごくたくさんあるので、とにかくやってみなきゃわからないなといつも思うんですよね。だからこれからも、なんでも新しいことにチャレンジして、楽しんでいきたいです。

■公開情報
『春に散る』
全国公開中
出演：佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、坂東龍汰、松浦慎一郎、尚玄、奥野瑛太、坂井真紀、小澤征悦、片岡鶴太郎、哀川翔、窪田正孝、山口智子
原作：沢木耕太郎『春に散る』（朝日新聞出版刊）
監督：瀬々敬久
脚本：瀬々敬久、星航
音楽：田中拓人
主題歌：AI「Life Goes On」（ユニバーサルミュージック）
配給：ギャガ
製作：映画『春に散る』製作委員会
©︎2023映画『春に散る』製作委員会
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