浜辺美波、中田青渚、佐久間由衣、成海璃子 『らんまん』で頼もしい姿を見せる妻たち
綾(佐久間由衣)
己の足で前へ前へと進み続ける妻像が綾(佐久間由衣)である。自ら峰屋を継ぎ、新しい酒を造ることに挑戦したいと竹雄(志尊淳)に切り出し、実行する。その後、腐造で店をたたむことになってしまうも、全ての責任を自らの肩に背負って受け止めた。この夫婦はどちらかというと竹雄が綾を支えているが、綾の頼もしさは他の妻たち同様、並大抵の器ではない。決断力と野心を備えた綾には、思わず憧れるような凛とした美しさがある。
えい(成海璃子)
十徳長屋で長い間、万太郎一家と暮らしていた倉木(大東駿介)と妻のえい(成海璃子)。えいもまた、頼り甲斐のある妻であり母である。戦で負傷した彰義隊の倉木をかくまって看病したことが元で夫婦になっていることからも、責任感と愛情を持ち合わせた人物だということが伝わる。寿恵子同様、質屋通いをしながら苦しい家計をなんとかやりくりしてきたエピソードも、たくましさを象徴する。残念ながら第20週では長屋から引っ越して行ってしまったが、またその清々しい姿が見られることを期待したい。
このように『らんまん』の世界では妻たちが自らの意思で人生を歩んでいることが輝かしく描かれる。夫の心の支えになり、家族をまとめ一丸となって前に進む頼もしい存在だ。今後の人生にも思わぬ出来事は起こるだろうが、何があっても聡明に家計を支え、逞しく未来を切り拓いていくことだろう。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK