『シッコウ!!』激昂する中島健人が形にした思い “恋仲”描写は作品に不可欠な中和剤に

『シッコウ!!』怒る中島健人が形にした思い

 ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)が第5話、第6話と恋仲をイメージさせるラストが続いている。

 第5話は「頼む、付き合ってほしい!」と頭を下げた長窪桂十郎(笠松将)が吉野ひかり(伊藤沙莉)を連れ出す場面、さらに第6話はひかりが「小原さんに、ほ……」と言い残し、小原樹(織田裕二)をその気にさせる。

シッコウ!!~犬と私と執行官~

 おそらく、観ている全視聴者がひかりと小原の親友関係は成立しても、栗橋祐介(中島健人)、長窪を含めた本気の恋愛関係には発展しないということをなんとなく察していることだろう。それでもわちゃわちゃとした平和な雰囲気を眺めていたい。「執行」というシリアスな作品テーマを中和してくれる大事な要素でもある。

シッコウ!!~犬と私と執行官~

 長窪が向かったのは母・頼子(千葉雅子)の元。久しぶりに再会した頼子に長窪は「この人と結婚するんだ」とひかりを紹介する。長窪は頼子から再三見合いを勧められて困っていたのだ。母親から返ってきたのは「結婚相手は神様が選ぶ」というまさかのリアクション。“宗教2世”という複雑な家庭環境下で育った長窪は、ひかりだけでなく、執行先にいる子供にも優しく接してきた。いろんな人がいて、みんないろんな事情がある。こうした今の現代社会を映したリアルな側面をソフトに描いているのも『シッコウ!!』の魅力と言えるだろう。

 ひかりの隣の部屋に引っ越してきた栗橋とは、大家の青柳(宮崎美子)も気になる関係性となっていた。「あっ、そうだ。栗橋さん」「あの、吉野さん」と2人が同時に話し出すというベタな展開に物陰から2人を見つめる青柳は「愛の告白」を期待するも、ひかりは「司法試験諦めないでください」と弁護士を目指す栗橋の背中を押す。「栗橋さんみたいに誰かと一緒になって、悩んだり、怒ったりしてくれる人が裁判所にちゃんといてくれたらいい」というひかりの思いは、第6話で形となって表れる。

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