『マイ・エレメント』は「自信をくれた作品」 制作スタッフが明かす大きな試練の克服
「僕たちは、僕たち自身から学ぶことができる」
ーーストーリー的に、共感したり感動したりする部分はありましたか?
リン:僕も移民2世なので、違う場所からやってきて、新しい場所にできるだけ馴染もうとするこのストーリーにはとても共感できました。現在も、多様な人々が共存する場所に住んでいるので、よく理解できます。『マイ・エレメント』にはそういった大きなテーマがあり、ストーリーそのものも非常に優れていて、共感できる部分がたくさんあるんです。
ーー改めて、『マイ・エレメント』の制作を振り返っての感想を教えてください。
リン:個人的に感じているのは、以前は不可能だったことを実現させるのは、可能なんだということですね。その自信がついたということかもしれません。それは僕だけではなく、今回のチームの他のメンバーも同じように思っていると思います。僕はこのピクサー・スタジオで20年ほど仕事をしてきましたが、『マイ・エレメント』は自信をくれました。突飛と思えるアイデアを監督が言ってきて、どうやればいいのかわからないと思っても、実現することはできるのです。「火」のキャラクターを作ろうと言われて、それがどう見えるのかも、どう手をつければいいのか誰もわからないところから始まりましたが、このスタジオにはそんな試練に喜んで立ち向かう人たちがたくさんいるんだということを実感しました。そして僕たちは、それらの試練を克服してみせられるのだということもね。『マイ・エレメント』は、そのことを再び僕たちに思い知らせてくれて、自信を与えてくれました。それはフィルムメーカーにとって、可能性を広げてくれることです。誰かがすごくオリジナルなアイデアを持っていて、誰も見たことがないようなものを作りたいと思ったとき、僕たちは「前にも不可能に挑戦したじゃないか。今回もやってみよう!」と思えるのですから。それが今回学び、次の作品にも活かしたいことですね。僕たちは、僕たち自身から学ぶことができるのです。
■公開情報
『マイ・エレメント』
全国公開中
監督:ピーター・ソーン
プロデューサー:デニス・リーム
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/my-element