実写版『ONE PIECE』は敵キャラにも期待 アーロン、ミホークらの“個性”の表現が鍵に?
似たようなことは次なる敵であるモーガン&ヘルメッポ親子にもいえる。彼らの傲慢さや軽薄さを、ラングレー・カークウッドとエイダン・スコットはそれぞれにどう表現するのだろうか。いっぽうで、原作マンガの後半でも重要なキャラクターとして登場するバギーやミホークは予告編内の姿を見ただけでも、かなり再現度が高いように感じる。前者は冷酷な道化師であり、後者は寡黙な孤高の大剣豪。そもそものキャラクターが立っているのだが、バギーを演じるジェフ・ワードはどのようにしてシリアスとコミカルを一緒に作品に持ち込むのか、ミホークを演じるスティーヴン・ウォードはどのようにして剣士としての“世界一”のレベルを示してみせるのか。
筆者が個人的に注目しているのは、キャプテン・クロことクラハドールを演じるアレクサンダー・マニアティス。クロは表向きは紳士だが、じつは無害な一般人のフリをした残虐な海賊。この表の顔と裏の顔がどのように描かれるのか注目だし、“スピード”が尋常ではないクロの動きをマニアティスがどう示すのかが気になる。そして誰もが注目ポイントとしてあげるのは、おそらくマッキンリー・ベルチャーが演じるアーロンだろう。魚人だからこその超人的な力はもちろん、人間に底知れぬ恨みを持つその心情を、どう声や身体に乗せるのか。
とはいえ、ここに並べたキャラクターたちの中でも、ルフィ率いる麦わらの一味にきちんと張り合うことができるのは、クロ以降……いや、クリーク以降……いや、アーロンでようやく……といったところである(ゾロVSミホークは真剣に見守りたい)。というのも、基本的にいつも一味の誰かがハンデを負った状態で戦うから。そのあたりのドラマも含めて、原作マンガとは違うどんな展開が繰り広げられるのだろうか。
■配信情報
Netflixシリーズ『ONE PIECE』
Netflixにて、8月31日(木)全世界独占配信
原作&エグゼクティブ・プロデューサー:尾田栄一郎
脚本&ショーランナー&エグゼクティブ・プロデューサー:マット・オーウェンズ、スティーブン・マエダ
キャスト:イニャキ・ゴドイ(モンキー・D・ルフィ)、新田真剣佑(ロロノア・ゾロ)、エミリー・ラッド(ナミ)、ジェイコブ・ロメロ(ウソップ)、タズ・スカイラー(サンジ)、ヴィンセント・リーガン(ガープ)、モーガン・デイヴィス(コビー)、 ジェフ・ウォード(バギー)、マッキンリー・ベルチャー三世(アーロン)、セレステ・ルーツ(カヤ)、エイダン・スコット(ヘルメッポ)、ラングレー・カークウッド(モーガン)、ピーター・ガジオット(シャンクス)、 マイケル・ドーマン(ゴールド・ロジャー)、イリア・アイソレリス・ポーリーノ(アルビダ)、スティーヴン・ウォード(ミホーク)、アレクサンダー・マニアティス(クラハドール)、クレイグ・フェアブラス(ゼフ)、チオマ・ウメアラ(ノジコ)
©尾田栄一郎/集英社