吉沢亮、『キングダム』シリーズで続ける挑戦 『東京リベンジャーズ』でも求心力を発揮
『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて、映画『キングダム2 遥かなる大地へ』が7月28日に放送される。同日に上映開始となるシリーズ最新作『キングダム 運命の炎』では、嬴政役の吉沢亮が9歳の子ども時代も自ら演じていることが発表されており、期待が高まる。
そんな吉沢はそもそも『キングダム』では、主人公・信(山﨑賢人)にとってキーパーソンとなる人物を1人2役で演じている。顔は瓜二つだが生まれた環境も立場も全く異なる2人の青年役を見事に演じ分けているのだ。
1人目は、最新作で吉沢自らが子ども時代も演じているという中華統一を目指す若き王・嬴政。そしてもう1人が、戦災孤児の奴隷で信の幼なじみだった漂。漂は武術にも優れ志も高く、嬴政とそっくりな外見を買われ、彼の影武者を務めることになり、そして命を落とすことになる。「天下の大将軍になる」という野望を持ち、周囲を鼓舞する役どころだった。同年代よりも一歩も二歩も先を行く漂は、年齢よりも落ち着き払った嬴政とも近しいところがあるかもしれない。
嬴政の人より早く大人にならねばならなかった冷静沈着で気高き佇まいと、時にそんな自身の宿命を憂うかのような悲哀を含んだ眼差しは、言葉よりもうんと多くを物語る。ポーカーフェイスを崩さぬものの、実は民を思う気持ちの強さが垣間見えるリーダーシップに溢れた人物だ。
多くを語らぬものの、周囲から一目置かれ“この人のために”と忠誠を誓わせてしまうような“人たらし”なカリスマ性が滲むのは、映画『東京リベンジャーズ』での不良集団・東京卍會の総長・マイキーこと佐野万次郎にも通ずる。金髪で無邪気に笑うマイキーのその笑顔は時に底知れないゾクっとするような危うさや狂気を孕み、その一方で無防備に相手との距離をグッと縮める。そんなマイキーの心のドアの開閉が瞬時に切り替わる多面的なさまを吉沢はあまりに自然に演じ、仲間たち同様、観客をも魅了した。