『らんまん』志尊淳と佐久間由衣が久々に登場! 万太郎を取り巻く不穏な空気も

『らんまん』今を生きようとする者の眼差し

 久々に竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)が登場した『らんまん』(NHK総合)第82話。万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)だけでなく、彼らに関わる者たちの今を伝えることを本作は忘れていないようだ。

 万太郎から届いた手紙の内容にはしゃぐ姿がかわいい2人。竹雄は夫婦になった今も、相変わらず綾への呼び方が敬語だ。しかし、心の距離感がグッと近くなって公私共にパートナーである空気感を出している。万太郎の下手くそな赤ん坊の絵を一緒に苦笑いしたり、逆にめちゃくちゃうまく描けている手足の部分画に萌えたり。万太郎が“未来”を作っていることを実感した綾は、彼女なりの“未来”を作ることを決心した。一度は挑戦した、新しい酒造りだ。

 あの時は健全だった祖母・タキ(松坂慶子)を怒らせてしまったが、再び「峰の月」に並ぶ新たな酒を作りたい。守り続けてきた伝統にしがみついたままでは、万太郎が見て、体験しているような未来を自分たちも感じることができないと思ったのだろう。

「今の世に生きる私らの酒を作ってみたいがよ」

 造石税で感じた新しい時代の風を、辛く感じるだけではいたくない。彼女が作りたいのは、苦しい日々の対極とも言える“明るくて、爽やかで、青空みたいな”酒。自分自身の選んだ道を悔まず、進み続ける決意をもった綾の顔を、竹雄はいつか交わした約束を思い出しながら晴れやかな表情で見つめる。「峰屋の末永い弥栄を願って作りたい」と、素敵な表現をする綾の背中を、彼はいつものように押した。「私らも作ろうか」と言われた時、「ついに子作り……!?」という表情から「あ、新しい酒ね……」と少し落ち着いてしまう竹雄の豊かな表情も楽しめた回だった。

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