『ダメ恋』『はじ恋』『恋つづ』を経て  『18/40』はTBS火曜ドラマの集大成に

『18/40』はTBS火曜ドラマの集大成に

 TBS系で火曜日に放送されている『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』(以下、『18/40』)は、「TBS火曜ドラマ」の集大成と言えるドラマだ。

 父親と二人暮らしの仲川有栖(福原遥)は海外で活躍できるキュレーターを目指す大学生だが、高校卒業の日に恋人の麻生康介(八木勇征)の子を妊娠していることが判明。雄介は逃げるようにカナダに留学し、母親の由美子(シルビア・グラブ)から子供を堕ろしてくれと迫られた有栖は、1人で産むことを決断する。

 一方、アートを扱う会社「BVアート」で働く成瀬瞳子(深田恭子)は10年間、仕事に没頭し、これから婚活、妊活に励もうとしていたが、子宮内膜症だと診断され、ショックを受ける。

 18歳で望まない妊娠をした有栖と、40歳を間近に控えて妊娠が難しい瞳子。そんな2人の出会いが第1話では描かれたのだが、妊娠・出産を選択するタイミングによって、キャリアパスが大きく変わってしまう日本人女性の困難が、強く提示された。

 その後、瞳子の会社が関わるアートカフェのアルバイトの面接に、有栖が応募したことで2人は再会。有栖が父親に黙って、1人で子供を産もうとしていることを知った瞳子は、父親に本当のことを話して許可をもらうことを応募採用の条件として提示するのだが、堕胎を迫られることを恐れた有栖は、妊娠のことを秘密にして、父親から許可を取り付けてしまう。

 子育てにはお金がかかると知った有栖は、カフェのバイトのほかにも在宅でのアルバイトも行っており、寝不足の状態でバイト先と大学を往復する日々を送っていたが、心労が重なり、道で倒れてしまう。そんな有栖の現状を知った瞳子は、瞳子の家でいっしょに暮らさないかと提案する。

 2014年の4月にスタートしたTBS火曜ドラマは、働く女性の仕事と恋愛にまつわる葛藤をライトでコミカルなタッチで描き、人気を博してきた。

 その方向性を決定的なものとしたのが、2016年に深田恭子が主演を務めた『ダメな私に恋してください』(以下、『ダメ恋』)だ。

 資格も貯金も特技も恋愛経験もない崖っぷち30歳の女性・柴田ミチコ(深田恭子)が、脱サラして喫茶店のマスターとなった黒沢歩(ディーン・フジオカ)の元で働くことで成長していく姿を描いた『ダメ恋』は、ラブコメとしてスマッシュヒット。『ダメ恋』の成功に手応えを感じたTBSは、火曜ドラマを、働く女性がキュンキュンできるラブコメ枠へと方向性を定め、ヒット作を次々生み出していった。

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