『18/40』福原遥が“孤軍奮闘”状態に 瞳子と有栖、それぞれに恋の予感も?

『18/40』福原遥の危うい“孤軍奮闘”

 「だから子どもだって言ってんのよ」と叱りたくなったのは、黒澤祐一(髙嶋政宏)だけではなかったはず。18歳でひとり子どもを産み育てていく決意をした有栖(福原遥)。しかし、その頑張り方はあまりにも危うかった。

 火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)第2話。偶然の出会いから、気づけばアルバイト先の上司になった瞳子(深田恭子)から、有栖は「アルバイトをするなら親の同意を得るように」と説得される。もちろん、妊娠していることもちゃんと報告することも。

 しかし、有栖はなかなか父親の市郎(安田顕)に伝えることができない。言えばきっと妊娠継続を諦めるように言われてしまいそうだから。誰よりも有栖の夢を応援してくれていることがわかるから。そして、妻を亡くした市郎が子育ての苦労を知っているはずだから……。

ひとりで「なんとかするしかない」は覚悟か意地か

 そんな父親に、もし反対されたらお腹の子を生むと決めた気持ちが揺らいでしまう。そう思った有栖は、中絶ができない時期まで黙っていることに。そして、市郎には妊娠のことを隠したまま、アルバイトの同意書だけを取って、瞳子に提出してしまうのだった。

 これがどれだけ無謀なことか、少し大人になれば見えてくるはず。でも、今の有栖にはそれがわからない。「なんとかするしかないっしょ!」と自分なりに考えて行動するのだけれど、市郎にも瞳子にもその場しのぎの嘘をつき、まさに孤軍奮闘となっている有栖。そういうときには、視野が狭くなってしまうものだ。

 妊娠中はいつも以上に体調を優先して生活しなければならない。だが、有栖はアートカフェが終わったあとに在宅ワークまで始める。しかも、このアルバイト、始めるためにはまず2万円を支払わなければならないという。

 この時点で、おそらく市郎や瞳子なら「そのバイトは怪しい」と言ったことだろう。でも、有栖にはまだ見抜けない。睡眠時間を削りながらやっとの思いでデータを納品しても、何かと文句をつけられて最初に提示したギャラの金額を払われず、挙句の果てには「ここが踏ん張り時」なんて言われるがまま業務量だけ増やされていく。そして、ついには体調を崩してしまうのだ。

 有栖の頑張りは「覚悟」と呼ぶにはまだ幼い「意地を張っている」と言ったほうが近い状態なのだろう。その証拠に、瞳子から在宅バイトが「消費者庁が注意喚起しているブラックアルバイト」だと指摘されると、「今のわたしに必要だからやってるんです。やらなきゃならないんです」「あなたに私の人生について何かを言われる筋合いはありません」と突っぱねる始末。

 自分の人生を切り開いていくためには、自分で決めることももちろん大切だ。しかし、その判断がどういう結果になったのかを見つめることはもっと大切だ。もしそれが良くない結果なのだとしたら、親身になってアドバイスをしてくれる人の言葉に向き合わなければならない。それがどんなに耳の痛い話でも。

 何をもって「子ども」と「大人」とするか。それは、判断力を養うために受け入れてきた情報量の差なのかもしれない。長く生きていれば、それだけトライ&エラーの数も増えていく。しかし、過ちや指摘に対して、どれだけ素直に向き合ってきたかは人それぞれ異なるもの。

 だからこそ「何歳になったから大人になった」とならないのだ。18歳になれば「成人」と法で定められていたとしても、急に「大人」になるものではないように。むしろ自分が「子ども」であることを自覚するところから、「大人」に近づくことができるような気がする。

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