堀家一希、田中偉登、林裕太 『東京リベンジャーズ』を支える注目若手俳優の存在感
本作は東京卍會と一虎の関係だけでなく、一虎とともに東京卍會に牙を剥く場地圭介(永山絢斗)らの絆も描かれている。場地はとても強く、カリスマ的な人物だ。そんな彼を慕うのが松野千冬(高杉真宙)で、『-決戦-』には彼ら2人の出会いのシーンが収められている。かつての千冬は先輩に敬語も使えず好戦的な態度を示してばかりのイキった若者だった時代があり、その頃には彼の取り巻きがいた。その1人を演じているのが林裕太だ。正直なところ、堀家や田中と並べるには役不足かもしれない。だが、俳優デビューからまだ3年も経っていない存在なのだから仕方がない。むしろ、3年以内でこのビッグタイトルに参加できていることにこそ目を向けるべきだ。しかも演じるのはケンカをする不良たちのうちの1人ではなく、場地と出会って心変わりをする千冬と直前まで行動をともにしていた人物。出番は短いものの、物語に深く絡む千冬のキャラクター性を示す重要な存在だともいえる。短時間で軽薄な小物キャラを体現し、見事に千冬の性格の一部を担っているのだ。そんな林は『草の響き』(2021年)で初めて本格的に映画の現場を経験し、2022年は『間借り屋の恋』で映画初主演。今年は次なる主演作『ロストサマー』の公開が控えている。「千冬の取り巻き役は林裕太だったのか!」となる日は想像以上に早くやってきそうな気がしている。
さて、ここでは『血のハロウィン編』においてそれぞれポジションの異なる3人の若手俳優に注目してみた。彼ら以外にも次代を担う俳優たちが顔を見せていることは付記しておきたい。近年、同じように期待の若手がこぞって出演していた作品に『HiGH&LOW』シリーズがある。同作で脇を固めていた俳優の一人にはあの一ノ瀬ワタルがいた。そう、横浜流星主演の『ヴィレッジ』で重要な役どころを担い、全世界で配信中の話題作『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)では主役を務める存在にまで上りつめた彼だ。俳優個々にそれぞれの歩み方があるのだろうが、堀家たちの未来を重ねてしまうのは筆者だけではないだろう。
■公開情報
『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』
全国公開中
出演:北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、間宮祥太朗、吉沢亮、永山絢斗、村上虹郎、高杉真宙
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』(講談社『週刊少年マガジン』連載中)
監督:英勉
脚本:髙橋泉
配給:ワーナー・ブラザース映画
©和久井健/講談社 ©2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会
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