『ウソ婚』は菊池風磨の“二面性”が魅力のひとつに 八重に対する匠の溢れんばかりの愛

『ウソ婚』菊池風磨の“二面性”を堪能

 これほどに、“菊池風磨が菊池風磨している”作品はあっただろうか。菊池が持つ二面性を存分に生かしたドラマ『ウソ婚』(カンテレ・フジテレビ系)は、第2話も最高の盛り上がりを見せてくれた。

 前回は、八重(長濱ねる)視点で物語が進んでいた『ウソ婚』。人に気を遣いすぎて、自分のことは後回し。小さい頃は、“お姫様”に憧れていたはずなのに、いつの間にか魔法使いポジションになって、まわりを幸せにすることばかりを考えていた八重。

 そんな彼女が絶望のふちに立たされた時に手を差し伸べたのが、幼なじみの匠(菊池風磨)だった。登場シーンがあまりにもカッコよかったため、『隣の男はよく食べる』(テレビ東京系)で演じていた妖艶男・蒼太のような、いわゆる胸キュンモードに全振りした役柄なのかと思った人も多いのではないだろうか。

 しかし、蓋を開けてみると、匠は思わずクスッと笑ってしまうほど三枚目なキャラクター(周囲にはバレていないのがまた面白い)。初恋の人・八重のことが好きすぎるあまりに、写真から指輪のサイズを計測したり、妄想を爆発させたりと、ヤバ男っぷりを全力で発揮している。それでも、「気持ち悪い……」とならずに、愛らしさを感じてしまうのは、演じている菊池の力量だろう。八重と再会できたことにニヤニヤしながらも、「洗濯終わったら帰れよ」なんて突き放してしまう強がりが、またかわいらしい。

 だが、やっぱり菊池のカッコいい部分を堪能したいと思うファンもたくさんいるはずだ。バラエティ番組での印象から三枚目キャラのように思われているかもしれないが、そもそも菊池は楽曲によって多種多様な表情を見せてくれる憑依型のアイドル。たとえば、ソロ曲「rouge」では“別人?”と思うほどの色っぽいパフォーマンスを披露している。

 だからこそ、妄想シーンではあるが、「俺の幸せのおまもりになってくれないか?」なんて臭い言葉を放っても、しっかり絵になるのだ。大人っぽくてカッコいい菊池風磨と、三枚目に全振りした菊池風磨。どちらの表情も堪能できるのが、本作の魅力のひとつだ。

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