慎吾の思いは報われるか? 菊池風磨が『ファイトソング』慎吾役で証明した演技力の高さ

菊池風磨の“チャラさ”の裏にある新しさ

 1月11日からスタートした火曜ドラマ『ファイトソング』(TBS系)に出演中の菊池風磨(Sexy Zone)。清原果耶が演じる主人公・木皿花枝の幼なじみで、花枝に片想いする夏川慎吾役を演じ、少々チャラいキャラクターではあるものの、一途に花枝を思う姿には「この思いが報われてほしい!」と慎吾の応援にも力が入ってしまう。

  菊池といえば2021年放送のドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(テレビ朝日系)で仙川俊也役を、同年7月期には『イタイケに恋して』(読売テレビ・日本テレビ系)で女性に惚れやすい劇団員・飯塚将希と、立て続けに明るい役を演じてきたが、今回の夏川慎吾役もそれらとはまた異なるキャラクターで魅了している。

 これまで歴代のジャニーズアイドルが演じてきたなかでも個性的な役といえば、『花より男子』(TBS系)で松本潤が演じた道明寺司の“俺様”キャラに、『ごくせん』シリーズ(日本テレビ系)の学園の不良役、『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)で山下智久が演じた草野彰役も、当時としては新しいタイプのキャラだった。

 菊池も学園ドラマでは『仮面ティーチャー』(日本テレビ)で武原金造役を、壁ドン一つでも大きく話題を集めた『GTO』(フジテレビ系)で葛木隆一役を演じた。年齢を重ねるごとに様々な役に挑戦してきたが、2017年放送『嘘の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)で演じた八尋カズキ役もハマり役の一つと言えるだろう。

 カズキは草なぎ剛が演じる天才詐欺師・一ノ瀬浩一の仲間で、ハッキングなどを得意とする詐欺師の見習い。浩一の復讐劇にハラハラさせられるなかで、浩一を巧みにアシストしたり、時にはユーモアで劇中の緊張感を和らげたりと、物語に欠かせない役だった。チャラい雰囲気を醸しつつも、一筋縄ではいかない複雑さや、重みを含んだ胸の内が伝わる演技をみせる菊池。飯塚将希役や夏川慎吾役のような、真っ向から“チャラ”を演じられるのも、菊池ならではの解釈を加えたキャラ作り、プロデュース力と、しっかりとした土台の賜物だと思う。

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