名作には必ず存在 敵だけど憎めないアニメキャラ5選

敵だけど憎めないアニメキャラ5選

 アニメに登場する敵キャラクターの中には、主人公たちと対立する存在でありながら、なぜか憎めない存在がいる。本稿では、その個性や背景によって共感を呼んでいる敵キャラクターに焦点を当て、その魅力を探り、紹介していく。

『ジョジョの奇妙な冒険』ディオ・ブランドー

 ディオは、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するジョナサン・ジョースターとの死闘を繰り広げ、血の因縁を作り上げた悪役である。そして、ディオは、生まれが貧乏でジョースター家に養子として入ったのにかかわらず、高い知性と強い上昇志向、絶対的なプライドを持ち合わせ、熱心な努力により「カリスマ」になった。作中では、ディオが読書をしている様子も度々描かれている。

 また、冷酷なディオも、過去に死んだ母親のために涙を流すシーンが描かれており、母親に対しては情があるように思う。このため、母親を殺した父親や、経済格差を産んだ世間に対する憎悪から悪人になったのではないかと考えられる。

 ディオの魅力は、勧善懲悪の話に出てくる悪と同様、自分を悪と認識しながらも、迷わず悪を実行しているところにある。とにかく悪に徹底しているディオは、強力なスタンドを持つ部下たちからも、盲目になってしまうほど崇拝されており、「悪の帝王」としても圧倒的な支持を得ていたことが分かる。

『マジンガーZ』あしゅら男爵

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 あしゅら男爵は、『マジンガーZ』に登場する、天才科学者のDr.ヘルが古代ミケーネ人の夫婦の体を半分ずつ融合し、蘇らせて作られた人造人間。彼は、敗北するたびに、「お許し下さいDr.ヘル!」と、土下座で謝罪したり、同僚のブロッケン伯爵に馬鹿にされながらも、諦めることなく戦い続ける。

 あしゅら男爵の魅力は、ポンコツながらも、愛されるキャラとしての魅力が高いところにある。彼は、喜んだり、落ち込んだり、拗ねてみたりと、表情が豊かなのが見ていて面白い。そんな彼が死亡した際に、冷酷なDr.ヘルでさえも涙を流し、彼の功績を称え、石像まで建立しており、彼が悪役からも愛される存在だったことが読み取れる。

『HUNTER×HUNTER』ヒソカ=モロウ

 ヒソカ=モロウは、『HUNTER×HUNTER』に登場するピエロのような風貌をした人物である。ハンター試験で出会った主人公のゴン・フリークスを自らの獲物とし、それ以降執着し続けている。ときにはトランプを使いながら、手品のような戦い方をする天才的な戦闘センスを持つ戦闘狂でもある。

 ヒソカの魅力は、「美学を持ちわせた変態」であるところにある。彼は、気に入った強い相手と存分に戦った上で殺害したり、将来に期待できる人材が殺しがいのある相手になるまで待っていたりと、とにかく自分の中での殺しの美学に忠実である印象が強い。また、彼は敵にも味方にもなる特異な存在として描かれており、この要素が作品をより味わい深いものにしているように思う。

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