『スイートモラトリアム』Pに聞くドラマ化の狙い　「自分のことを好きになってもらえたら」

恋愛相手に求める「刺激」と「安定」

ーー近藤さんは4月期ドラマで『ガチ恋粘着獣』（ABCテレビ・テレビ朝日系）も担当されています。同時期に2作品も手がけている恋愛ドラマを作る面白さはどんなところにあると考えますか？

近藤：恋愛作品に限らず、不器用な登場人物が、もがき苦しみながらも懸命に生きていく姿を描いた作品が好きなんです。『ガチ恋粘着獣』と『スイートモラトリアム』にはその点で共通したところがあるのかなと思っています。両作品とも、色々抱えている人物たちが登場しますが、それぞれの壁を乗り越えながら成長していく姿を描きたいと思って作りました。

ーーどちらの作品も登場人物たちの気持ちが越えて、思わぬ行動をとってしまう展開があります。でも恋愛ってそういう暴走が付きものといいますか、その上でさまざまな感情の機微を描けるところに面白さがあるんですね。

近藤：日常生活だとちょっと暴走できないところもあると思うので、そういう思いを乗せて、ドラマで楽しく感じていただけたらいいなと思っています。

ーー本作の発表時に「恋愛相手に『刺激』と『安定』どちらを求めるか？」と問いかけのコメントがありましたが、実際の近藤さんの思いは？

近藤：「答えはない」というのが考えですけど、その時の状況や自分の必要としていることによって答えは変わってくるのかなと思います。男女問わず、いろんな人が普遍的に抱えている悩みだと思うので、この作品においても皆さんにすごく共感していただけるテーマになっているのかなと考えますね。

ーー心たちと同じ10代、20代の等身大の視聴者がとくに刺さるテーマなのかなと思いました。

久保田：小夜が最後に「色々あって、りんごちゃんのことが好きになれた。私のことも好きになれた」というセリフがあります。それがこのドラマの究極的なテーマだなと思っています。自分を好きになることが、誰かをちゃんと好きになることのスタートでもある。本当に辛いことも嫌なこともいっぱいあるし、なにかにぶつかったり、もがいた上での苦労はあるんですけど、逃げずに向き合って、自分のことを好きになってもらえれたらなと思いますね。

近藤：SNS上での大勢の煌びやかな人たちと比較して、自分を肯定してあげられない方々が増えていると耳にしますし、自分自身にもそういう経験があったなと思います。このドラマを観て、自分を好きになるまでいかなくても、認めてあげたいと思ってもらえたら嬉しいです。

ーー終盤に向けて視聴者にメッセージをお願いします。

久保田：3人の恋の行方はもちろん、3人がどういう道を選んでいくのかというのも楽しみに見届けていただきたいです。

近藤：オープニング映像を担当したセカンドのディレクターの頃安（祐良）さんが、現場でキャストのいろんな姿をカメラに収めてくださっていて、9話分それぞれでオープニング映像写真が変わっていくのも見どころです。画や美術やロケーション等々、映画畑のスタッフによってクオリティの高いものを用意できました。心とりんごと小夜、この3人の成長模様に注目して、ぜひ楽しんでいただきたいです。

■放送情報
ドラマストリーム『スイートモラトリアム』
TBS系にて、毎週火曜深夜24:58～25:28放送
「Paravi」「U-NEXT」では各話地上波放送の1週間前、毎週火曜12:00に先行有料配信中
地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」にて各話無料1週間見逃し配信あり
出演：鈴鹿央士、小西桜子、田辺桃子、若林時英、中島歩ほか
原作：たまいずみ『スイートモラトリアム』（マンガボックス）
脚本：加藤綾子、玉田真也、頃安祐良
監督：玉田真也、頃安祐良
プロデューサー：近藤紗良
スーパーバイジング・プロデューサー：久保田修
配信プロデューサー：今井夏木、大原拓真、杉山香織
製作 ：『スイートモラトリアム』製作委員会
制作プロダクション：C＆Iエンタテインメント
©︎『スイートモラトリアム』製作委員会
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/drama_stream_tbs/
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