山田裕貴は視聴者の感情を動かし続ける 『ペンディングトレイン』を牽引した“生”の芝居

山田裕貴、『ペントレ』を牽引した“生”の芝居

 『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系/以下『ペンディングトレイン』)が6月23日に最終回を迎える。希望を胸に壮絶なサバイバルを耐え抜いた乗客たちが、現代で思わぬ絶望に直面することになった本作。最終回を目前に、直哉(山田裕貴)、優斗(赤楚衛二)をはじめとする乗客たちが希望を取り戻せるのかに注目が集まっている。

 SNSでは「#ペントレ乗車中」というハッシュタグで毎週多くの感想や考察が渦巻く中、本作を牽引してきたのが主演の山田裕貴だ。直哉という複雑な感情を持つキャラクターを緻密な芝居で表現し、独自の捉え方で作品を作り上げる。直哉の姿が毎週多くの視聴者の心を打つことに加え、優斗との対照的な心情描写や2人のバディ感は『ペンディングトレイン』最大の見どころとなった。

山田裕貴は役を“生きる” 熱い生き様を見せた必見の3作

今年30歳の節目の年を迎える山田裕貴。俳優デビューは2011年の特撮ヒーロードラマ『海賊戦隊ゴーカイジャー』のゴーカイブルー役で…

 そんな山田は2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』(テレビ朝日系)のジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役で俳優デビュー。若手俳優にとって一つのチャンスとなる戦隊モノに出演したが、その後のブレイクには少しの時間を要した。風向きが変わったのは2016年ごろのこと。映画への出演が続いていた山田は『HiGH&LOW』シリーズの村山良樹役を務めることでさらに注目度を上げた。『あゝ、荒野』(2017年)では主演の菅田将暉のライバルボクサー役として過酷なトレーニングを積むなど、ストイックな役への意識をのぞかせる。この映画の舞台挨拶で「マネージャーさんにも『この役を落としたらこの先を考えなきゃいけないね』と言われた」と話していることから、まさにこの時期が山田のキャリアにおいての転機となったに違いない。(※1)

『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』

 その後は、朝ドラ『なつぞら』(NHK総合)や朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)、大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)などに出演し、怒涛の快進撃を見せる。『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ系)に出演した際にはロースクールの教員・藍井仁役で斬新な姿を見せてくれた。この時の主演である北川景子が『ペンディングトレイン』をリアタイ視聴して、ハッシュタグ「#ペントレ乗車中」付きでSNSに感想をツイートする様子は大きな話題となった。『東京リベンジャーズ』シリーズでも山田と出演者との仲睦まじいエピソードが語られており、共演者からの信頼が非常に厚い役者であることがうかがえる。山田の芝居への熱い想いは視聴者のみならず、共演者にも火をつけるのだろう。

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