アーノルド・シュワルツェネッガーは“計算高い人物”なのか? その生き方に学ぶ成功への道
今年5月、アーノルド・シュワルツェネッガーが、Netflixのチーフ・アクション・オフィサーに就任したという情報が動画によって、Netflix社屋の前まで戦車で乗り付けて、派手に出勤するシュワルツェネッガーの姿とともに公開された。
アクションスターとしてハリウッドの頂点に立ち、日本でも「シュワちゃん」の愛称で親しまれていたりなど、世界的な知名度があるだけに、その宣伝効果は小さくないはずである。また、これはシュワルツェネッガー自身が出演する配信シリーズ『FUBAR』のプロモーションにもなっていた。
続けてNetflixで配信されたのが、シュワルツェネッガーのこれまでの人生を辿るリミテッドシリーズ『アーノルド ~シュワルツェネッガー、三つの人生~』だった。「三つの人生」とはそれぞれ、ボディビルダー、アクションスター、政治家としてのキャリアへの挑戦を指している。
さまざまな分野での活躍にくわえ、大きなスキャンダルも起こした、波瀾万丈の人物。ここでは、そんな彼の人生を辿った3部構成のドキュメンタリーの内容を見ていきながら、シュワルツェネッガー(以下、シュワ)の実像に迫ってみたい。
本シリーズは、シュワ本人や関係者のインタビューから構成されている。ボディビルダーとしての成長を追った第1部では、1歳違いの兄とともにオーストリアで生まれ育ったことや、その兄が弟より筋肉質だったという、驚きのエピソードも語られる。
ある日、ボディビルダーで俳優のレグ・パークの勇姿と、そのムキムキの肉体を映画館のスクリーンで観たシュワ少年は、自分も彼のようになりたいと、身体を鍛え始めたという。その後、憧れの国であるアメリカに渡って、ボディビルダーとして数々の業績を上げ、業界の第一人者にまで名を上げていくことになる。
シュワといえば、ムキムキの筋肉を披露してきたイメージから、豪快で細かいことを気にしないという印象を持っているかもしれない。だが面白いのは、このシリーズの冒頭で、そんなシュワを「計算高い人物」と評する者もいることが分かる部分だ。
本シリーズを鑑賞すると、たしかにそのような表現が、シュワの人間性を端的に表しているのではないかと思えてくる。彼はいつでも確固たる目標を定め、そのためにあらゆる要素を利用しながら努力を重ねるという行為を繰り返している。