『どうする家康』有村架純が“命を懸ける”覚醒した瀬名へ 広瀬アリスの対照的な明るさも

有村架純、“命を懸ける”覚醒した瀬名へ

「母には……ずっと胸に秘めてきた考えがある。誰にも知られてはならぬ……恐れ多い謀じゃ。されど……もし、そなたがやるというのなら、母は、全てを懸けてそれをなす覚悟ができている」

 瀬名を演じる有村の台詞の言い回しは、瀬名のたおやかさを印象づける穏やかな響きを保ちながらも、重々しいものだった。瀬名がこれから行うことは家康に反すること。それを分かっているからか、信康に語りかける瀬名の目には涙が滲んでいる。穴山梅雪(田辺誠一)と面会する瀬名の不敵な笑みは「悪女」と言い伝えられる築山殿の姿を思わせるが、これまでと異なる目つきに見えたのは、命を懸ける覚悟を決めて覚醒した瀬名の姿だからこそ。家康も瀬名も大切な家族を守りたい思いは同じだが、皮肉にも、相反する道へ進むことになった。本作は瀬名と信康に待ち受ける運命をどのように描くのだろうか。

 第23回は瀬名の覚悟や乱心する信康、信長の命令に逆らえず目に涙を浮かべながらも密告する五徳など心苦しい場面が多々あったが、初登場となった広瀬アリス演じる於愛の場面は明るかった。

どうする家康

 登場するや否や、家康のお尻を思いっきりひっぱたくと「また、つまみ食いして! どうせまた若いおなごをかどわかしに来たんじゃろ! いいかげんにしなされよ、女たらし」と叱りつけた。なんのことやらさっぱり分からない家康の困惑っぷり、側室のお葉(北香那)や女房たちが肝を冷やす様に笑ってしまう。顔をものすごく近づけてからようやく家康と気づき慌てふためいたり、笛が得意と言いながら音を外したり、瀬名が『源氏物語』を好きと知ると急に話に熱が入ったりと、どこか抜けているが一生懸命な人物像に好感が持てる。

 次回以降もまた胸が締め付けられるような展開が待ち受けていることが予想されるが、於愛を演じている広瀬の気持ちのいい笑顔が、暗く影を落とす物語に差し込む光となるはずだ。

■放送情報
『どうする家康』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:松本潤
脚本:古沢良太
制作統括:磯智明
演出統括:加藤拓
音楽:稲本響
写真提供=NHK

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