染谷将太の円熟みが増す演技アプローチ 『教場0』『サンクチュアリ』での“オーバーアクト”
しかしながら多くの方が知るように、染谷はいつもこういったアプローチでいるわけではない。近年でとくに印象に残っているのは『旅のおわり世界のはじまり』(2019年)や『最初の晩餐』(2019年)での姿だろうか。この2作ではそれこそ「ナチュラルな演技」で、この世のどこかにいるのであろう等身大のキャラクターを立ち上げていた。今年は徹底したリアリズムにより物語を紡ぐ劇作家にして演出家である加藤拓也の監督第2作目『ほつれる』に染谷が参加していることが発表されている。30代へと突入し、若くしてすでに円熟味が増しつつある彼はどのようなパフォーマンスで魅せてくれるのだろうか。
とはいえ、とにかくいまは『教場0』である。ものごとの表面的な分かりやすさの中には、必ず複雑さがある。“染谷将太=中込兼児”もそうだ。なぜ彼はこれほどまでに乱暴で落ち着きがないのか。一見すると単純なようで実は多層的な染谷の演技が物語っていくはずである。
■放送情報
フジテレビ開局65周年特別企画『風間公親-教場0-』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:木村拓哉、赤楚衛二、新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太ほか
原作:長岡弘樹『教場0 刑事指導官・風間公親』『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)
脚本:君塚良一
演出・プロデュース:中江功
プロデュース:渡辺恒也、宋ハナ
音楽:佐藤直紀
主題歌:Uru「心得」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作・著作:フジテレビ
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