『らんまん』鶴田真由の演技には人間味がある 2度の神木隆之介の母役を経てどう関わる?

『らんまん』鶴田真由の演技は人間味がある

 『らんまん』(NHK総合)第10週で万太郎(神木隆之介)がまた新たな居場所を獲得していく。植物学雑誌発刊のため、石版印刷技術を習得しようとする万太郎を受け入れてくれた大畑義平(奥田瑛二)率いる大畑印刷所だ。

 一見強面ながら人情味溢れる義平を支える妻・イチ役を演じているのが鶴田真由だ。夫と同じくチャキチャキの江戸っ子ということで、たおやかな雰囲気のある鶴田がぶっきらぼうだが人間味ある江戸っ子役を演じる意外性がまた楽しい。

 鶴田は本作が朝ドラ初出演。『君と出逢ってから』(TBS系)でのヒロイン役や、『お仕事です!』(フジテレビ系)での主演、そして同じく主演を務めた『つぐみへ…〜小さな命を忘れない〜』(テレビ朝日系)では我が子を奪われる母親の悲痛な胸の内を熱演していた。

 甘い声と全面に主張しない控え目な雰囲気。飾り気のない美しさを滲ませ、それでいて絶対不可侵な強さを秘めている印象があるのが鶴田だ。

鶴田真由

 映画『日日是好日』で茶道教室に通う主人公が憧れる雪野役を演じていたが、鶴田が演じることでより説得力が宿っていた。キャラクターの立つ人物を特別視せず、当たり前のように側にいる役どころは鶴田の得意とするところだと言えるだろう。

 彼女の着物姿は映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』での一色正和(堺雅人)の母親役でも見られる。魔物や幽霊が一緒に生活するという鎌倉が舞台のファンタジー作品の中でも、ポップでありながらもリアリティーのある存在感を放っていた。そういえば『サトラレ』(テレビ朝日系)では“サトラレ”と呼ばれる特殊能力を持つ里見(オダギリジョー)を助ける医師役を演じ、巻き込まれる側ながらも鶴田演じる役どころが主人公だった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる