塚地武雅の愛されキャラを生み出す才能 『王様に捧ぐ薬指』でも視聴者の心を掴む
橋本環奈と山田涼介(Hey! Say! JUMP)が共演するドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)を観ていて、気づけば夢中になっていたキャストがいる。塚地武雅だ。
もちろん、貧乏な蒲鉾店の娘・羽田綾華(橋本環奈)と大企業「新田ホールディングス」の後継者・新田東郷(山田涼介)の契約結婚生活や、ふたりの恋の行方にも注目しているが、要所で登場する綾華の父・羽田金太郎(塚地武雅)が、気になって仕方ない。彼が魅力的すぎるのだ。
東郷が結婚の挨拶に来た際、信じられず、妻の桃子(りょう)と爆笑したかと思えば、すぐに「ど、どこの馬の骨かも分からん男にうちの娘はやれん!」とそっぽを向く。彼が新田ホールディングスの取締役だと分かると、持っているお茶をカタカタ震わせて「本当に綾華でよろしいんでしょうか?」とお伺いを立てた。
ある日、ふたりが住む家へ初めてやって来た金太郎。家を見て「広っ! こ、これはすごい!」と見渡す。座るよう促された際には、目の前のソファーに座らず、床に正座した……。こうした行動の数々に、SNSでは「かわいすぎる」「面白い」との声が。回を追うごとに塚地の演技が、視聴者のハートを掴んでいるのだ。
そんな塚地は、今年の1月期に放送されたバカリズム脚本のドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)に本人役として出演。短い出演シーンではあったものの、強烈なインパクトを残した。
人生やり直し中の主人公・近藤麻美(安藤サクラ)が、日本テレビに入社し、スタッフとしてドラマ『花咲舞が黙ってない』を担当。麻美は忙しい毎日を過ごす中で、今日が、中学時代の教師・三田先生(鈴木浩介)が痴漢の冤罪で捕まる日であることを思い出す。彼を助けるため、仕事を早く終わらせる計画を立てた。
『ブラッシュアップライフ』スリル溢れるドラマ制作の裏側 “喜劇”のような麻美の人生
“運命”とは、生まれながらに決まっているものだと思っていた。たとえ、どんなに抗ったとしても、結果的にその道にたどり着いてしまう。…
業務をスムーズにこなすだけでなく、渋滞で遅れている塚地側にも遠隔でルートを指示。その結果、本来だと2時間後に現場入りする彼が、予定よりも早く到着できた。スタッフに拍手で迎えられた塚地だったが、事情を知らない本人は戸惑う……というシーン。このときの塚地の表情が素晴らしく、視聴者や業界関係者からも絶賛の声が相次いだ。
改めて紹介するまでもないが、塚地はお笑いコンビ・ドランクドラゴンのボケを担当。名作の多いコンビネタや『はねるのトびら』(フジテレビ系)で、多彩なキャラクターを演じ、憑依芸人の名をほしいままにした。
そんな彼はコント師という顔も持ちながら、俳優としても活躍。映画『間宮兄弟』(2006年)で多数の映画賞を受賞したあと、ドラマ『ハンチョウ〜神南署安積班〜』シリーズ(TBS系)、『緊急取調室』シリーズ(テレビ朝日系)、朝ドラや大河ドラマにも出演してきた。緊迫感のある物語でも、泣ける物語でも、抜群の存在感を発揮している。