『水星の魔女』スレッタとグエルが再び決闘 散りばめられたセルフオマージュが表すもの
そして始まった決闘では再び第3話のセルフオマージュが見られた。セセリアがグエルを煽るシーンはセリフこそ違えど、第3話と同様のカメラワークで演出。だが、決定的に異なっているのは煽りを受けたグエルの態度だ。挑発に乗っていたかつてのグエルとは違って、冷静な対応で流していたのにはグエルの成長が感じられた。
決闘はスレッタとエアリアルの勝ち目前かと思われたが、突如としてエアリアルは動きを止めてしまう。その一瞬の隙を突いたグエルが勝利。スレッタとエアリアルにとって初めての敗北となった。だが、これは全てミオリネによって仕組まれた出来レースだったことが後ほど明かされる。ミオリネは負けたスレッタにクールさんを返し、ホルダーの制服までも取り上げ、残酷な眼差しで言う、「さようなら。水星のお上りさん」。だが、この辛辣な言葉の裏にはプロスペラの影響を排することよって、スレッタが自由という名の幸せを享受してほしいというミオリネの本当の思いがある。ミオリネの行動がスレッタへの優しさから来ていることは十分に伝わっているが、いささか荒療治すぎるのではないかというのが正直な思いだ。とはいえ、ここまで無慈悲なまでにやってのけてしまうミオリネの覚悟には驚いた。
ミオリネとグエルの共闘は頼もしいが、気になるのはスレッタの今後。ミオリネという婚約相手を失い、さらにはエアリアルも手放し、残されたのは母親のみ。だが、プロスペラにとってもはや用済みである可能性も高く、全てを失ったことを知ったスレッタの身が心配だ。どうかスレッタが幸せでいてほしい。
■放送情報
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
Season2:MBS/TBS系全国28局ネットにて、毎週日曜17:00〜放送
企画・制作:サンライズ
原作:矢立肇、富野由悠季
監督:小林寛
出演:市ノ瀬加那(スレッタ・マーキュリー)、Lynn(ミオリネ・レンブラン)、阿座上洋平(グエル・ジェターク)、 花江夏樹(エラン・ケレス)、古川慎(シャディク・ゼネリ)
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン原案:モグモ
メインキャラクターデザイン:田頭真理恵、
キャラクターデザイン:戸井田珠里、高谷浩利
メカニカルデザイン:JNTHED、海老川兼武、稲田航、形部一平、寺岡賢司、柳瀬敬之
音楽:大間々昂
©創通・サンライズ・MBS
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