石田ゆり子、仕事をする上でのポリシーとモチベーション　「できるだけ固めずに、柔軟に」

「（鈴木）亮平さんの力は本当にすごい」

ーー石田さんから見て、今回の映画で特に印象的だった方はどなたでしょうか？

石田：みなさん素敵ですけど、やっぱり亮平さんの力は本当にすごいなと思っています。彼が真ん中にどんといるから、みんなも頑張れるんだと思います。そういうパワーをみんなに与えることができる、稀有な方だなあと。セリフも山のようにあるし、出ずっぱりで本当に大変だと思うのですが、いつも穏やかで柔らかくて、負のパワーが一切ないんですよね。人としてもすごく尊敬します。MERのみんなもきっとそうで、そうやって引き寄せ合って出会ったような気がしています。

ーー石田さんはさまざまな作品で多種多様な役柄を演じられていますが、演じる上でポリシーみたいなものがあればぜひ教えてください。

石田：私は、役をいただいたからにはあまり自分で固めないようにしようとはいつも思っていて。作品の中にもそれぞれの役割があるので、その世界の中で自分はどういう役割なのか、全体の中のどの部分を担っているのかを考えるようにしています。そこに自分のエゴをあまり入れる必要がないというか、自分がどう見えるかとか、こうありたいというのはあまりなくて。なので、監督の言うことをちゃんと聞いて、柔軟にやることを意識しています。それが自分に与えられた使命かなと。

ーーご自身で固めて挑むというよりかは、現場で柔軟に対応できるようにしていると。

石田：はい。できるだけ固めずに、柔軟に。あと、相手によって変えていく必要もあるので、周りをよく見ることはいつも大事にしています。

ーー『TOKYO MER』もそうですが、いち視聴者として、石田さんがいるだけで作品が引き締まるような印象を受けています。

石田：いやいやいや……ありがとうございます。でも年齢を重ねていくにつれて、物語の中でもちょっと立場のある役やお母さん役など、どうしても若い人を見守る立場になってきていて。そういう役は自分の中身が出てしまうような気もするので、自分自身もちゃんとしなきゃな、という意識は常に持つようになりました。

ーー出演される作品はどういう基準で選んでいらっしゃるんですか？

石田：自分が視聴者だったら観たいと思う作品に出たいなと思っています。たとえば、物語の中心になるような役をいただいたとしても、自分が視聴者だったら観ないなと思うような作品もあるわけで。そういうときはやっぱりお断りすることが多いです。そこは結構判断基準ではありますね。あと、自分がもしその作品のプロデューサーなり監督だったとしたら、石田ゆり子にオファーするか、ということを考えます。「これは私じゃないだろう」という役はやっぱりありますから。何を求めて私にオファーがきたんだろう、みたいな（笑）。でもそこに乗っかることが大事なときもあるので、ケースバイケースではありますけど。なんでも自分の中で客観視するところがあるかもしれません。

ーーその選択がうまく生きているというか、そういうところで一本筋が通っているように見えるんだと思います。

石田：仕事はひとりでやるものではないので、その座組に参加できる喜びを感じたい。というのが、たぶん一番のモチベーションです。『TOKYO MER』はそれこそ「この座組みに入ったら楽しそうだな」と思ったので。

ーー『TOKYO MER』は今後のシリーズ化にも期待したいです。

石田：そうですよね。いくらでもシリーズ化できる仕組みをよく作ったなと思います（笑）。

■公開情報
劇場版『TOKYO MER～走る緊急救命室～』
全国公開中
出演：鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、佐野勇斗、ジェシー（SixTONES）、フォンチー、菜々緒、杏、徳重聡、古川雄大、渡辺真起子、橋本さとし、鶴見辰吾、仲里依紗、石田ゆり子
監督：松木彩
脚本：黒岩勉
配給：東宝
©2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会
公式サイト：https://tokyomer-movie.jp/
公式Twitter：tokyo_mer_tbs
公式Instagram：tokyo_mer_tbs
公式TikTok：@tokyomer