『unknown』田中圭×吉田鋼太郎の息ぴったりな芝居 『おっさんずラブ』チームらしさ全開

『unknown』田中圭×吉田鋼太郎の芝居

 高畑充希と田中圭がダブル主演を務めるドラマ『unknown』(テレビ朝日系)が、4月25日に第2話を迎えた。

 この回の目玉はなんと言っても虎松(田中圭)が、こころ(高畑充希)の母・伊織(麻生久美子)、父・海造(吉田鋼太郎)に挨拶に行く展開だろう。第1話で吸血鬼であることを打ち明けたこころだったが、虎松はそれを冗談だと受け止めていた。「日光」「ニンニク」「十字架」「怪力」。こころが吸血鬼である要素は揃ってはいるが、まだ半信半疑の虎松は、恐る恐るポツンと一軒家……ではなく、山奥にそびえる洋館、闇原家のお屋敷を訪ねる。

 本作は『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)のチームが再集結したドラマであり、言わずもがな田中圭と吉田鋼太郎の共演シーンは誰もが心待ちにしている瞬間。棺桶から出てきた海造は「誰だ!? 貴様!」と虎松を怒鳴りつける。本作ではジャンルとして「ラブ・サスペンス」が謳われているが、海造の登場シーンだけは「サスペンス・コメディ」の雰囲気が強く漂っている。それはまるで「絶対に笑ってはいけない闇原家のお屋敷」。やけに発音がいい巻き舌の英単語に、堂々と羽織った黒のマント。「うちは『ドーンと一軒家』だ!」と豪語するセリフでは、画角も引いて戻るというサスペンスドラマではなかなか見られないコメディタッチのカメラワークが取り入れられており、このチームらしい、やりたい放題な作品だなというのが改めての実感だ。

 虎松と海造の初めての共同作業は、棺桶の組み立て。2人の会話は全く噛み合ってないのだが、それを成立させている田中と吉田の芝居の息はぴったりだ。こころとの結婚には断固反対な海造だが、虎松の指から出る血をじっと見つめたり、2人仲良く並んで餃子作りをしたりと、それはまるで生まれ変わっても決して離れられない運命にあるかのようでもある。

 海造に負けず劣らずのキャラクターを持ち合わせているのが、伊織。そもそも虎松を自宅に招き入れたのは彼女だった。国民的ニュースキャスターである伊織は、テレビ局にも虎松を連れてきては、彼女の言う「吸血鬼のトリセツと恋の多様性」についてみっちり教え込んでいく。部屋にメイク担当がいる状況で「ふーふぇふ鬼」とスレスレの表現をしたりと危なっかしいところはあるものの、全てを見透かしたような聡明な人物でもある。

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