『スパイダーバース』続編予告でMCUとの関係が明らかに 実写版キャスト登場にも期待

『スパイダーバース』とMCUの関係は?

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!

 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の予告編が全世界同時に解禁となりました! そして日本公開は6月16日と正式に発表! 今回の予告編、スパイダーマンファンにとっては鳥肌もの! さっそくチェックしてみましょう。

映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』予告編

 実は、日本版予告編とアメリカ版予告編は違うのです! どこが違うのか? 冒頭のつかみの部分です! なんと日本版予告編はトビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドらの実写版『スパイダーマン』シリーズのセリフと映像からスタートします。ここでかかる曲は60年代のアニメ版スパイダーマンのテーマ曲をアレンジしたものです。このつかみで、実写版『スパイダーマン』映画と『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』はリンクするのでは? と期待してしまうわけです。

 そしてこの後、マイルス・モラレスくんが別バースで“スパイダー・グウェン”として活躍しているグウェンに導かれ、マルチバース=スパイダーバースめぐりの旅に出かけます(ここからの展開は、日本もアメリカも同じ内容の予告編となっています)。そこで、マイルスはスパイダーウーマンやパンク姿のスパイダーマン、スパイダーパンクなど沢山のスパイダーマンと出会います。

 特筆すべきは黒髪で両手にバングルみたいなものをしているスパイダーマン。彼はインドのスパイダーマン、スパイダーマン・インディアです。このキャラの声を演じるのはカラン・ソーニ。映画『デッドプール』シリーズの、あのタクシー運転手ドーピンダー役の人です!

 そしてマイルスは、こうしたスパイダーマンたちを“スパイダーピープル”と呼び、その中から選ばれた精鋭による“スパイダーピープルの最強チーム”があることを知ります。そして、このチーム界隈を仕切っているのが“スパイダーマン2099”ことミゲル・オハラ。前作『スパイダーマン:スパイダーバース』のエンド・クレジットに出てきた、未来のスパイダーマンです。声の出演は『ムーンナイト』のオスカー・アイザックです。途中マスクを脱ぎますが、雰囲気もアイザックに見えますね。

 マイルスは“スパイダーピープルの最強チーム”に入りたいと願いますが、ミゲル・オハラによって却下されます。この時オハラが言うセリフが衝撃的。「お前はまだ未熟だ(だからチームにはいれられない)」。なぜオハラが未熟者のスパイダーマンを嫌いかというと、どうやら、かつて未熟者のスパイダーマンがとんでもない事件を引き起こしたかららしい。それは、「ドクターストレンジとあいつのようにな」。そう! ミゲルの言っているのはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で描かれた事件のことを言っており、“あいつのようにな”の“あいつ”とは、トム・ホランド版のスパイダーマンのことなのです。

 冒頭の実写映画の引用から始まり、このオハラのセリフ。少なくともMCUとこのアニメで描かれるスパイダーバースは、マルチバースの関係ということがわかります。ただここでちょっと矛盾が。オハラはトム・ホランド版スパイダーマンの世界(つまりMCU)はアース199999の世界と言い切ります。マルチバースでは、世界毎に「アース○○」とナンバリングしているのです。ところが、MCUは自分たちの世界を確かアース616と設定していました。このナンバーの違いはなにか意味があるのでしょうか?

 そして、前作のマイルスのメンター、ピーター・B・パーカー/スパイダーマンには、なんと娘がいるようです。これはコミックでいうところのメイディ・パーカーちゃんです。ピーターとMJの間に生まれた女の子で、メイおばさんから名前をとりました。スパイダーマンの能力を受け継ぎ、将来的にはスパイダーガールとして活躍します。

 そして「スパイダーマンには哀しき定めがある」とのセリフが被るくだりに途中。どうやらこれは、どのスパイダーバースにおいても、スパイダーマンないしそれに準じるキャラの者は、愛する人を失うという悲劇に必ずみまわれる運命らしい。

 ここでグウェンの場合の悲劇が。彼女のバースでは、ピーターでなくグウェンが特殊な蜘蛛に噛まれスパイダー・グウェンになります。ピーターは彼女の親友でしたが死んでしまった、と前作で語っていました。このシーンはその過去を描く回想シーンだと思うのですが、なぜこのピーターはスパイダー・スーツを着ているのでしょうか? 彼女のバースでは、ピーターはスパイダーマンではないので、ここが謎です。そしてマイルスに対して「父の命を救うか、それとも世界(マルチバースの秩序)を救うのか?」みたいな究極の選択がつきつけられる模様。なぜマイルスの父の生死がマルチバースの危機につながるのか? ここがストーリーの大きなポイントですね。当然、マイルスは父を助けようとします。それはマルチバース=スパイダーバースの秩序を守ろうとするオハラにとって、あってはならないこと。そこでオハラは他のスパイダーマンたちを動員してマイルスを止めようとする。

 つまり今回の物語はマイルスから見れば、スパイダーマン2099こそが最大のヴィランということでしょうか?

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