『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』往年のファンには胸熱な演出も 安室透が空中で大奮闘

『ハロウィンの花嫁』は新旧ファンが楽しめる

 クライマックスで描かれるのは劇場版『コナン』シリーズ恒例のド派手なアクションシーン。シリーズ恒例のコナンによるスケボーアクションはもちろん、本作では安室透の空中アクションが圧巻だ。安室人気を押し上げた大ヒット作『名探偵コナン ゼロの執行人』でも、彼の愛車であるRX-7によるカーアクションが印象的に描かれていたが、本作もとある乗り物を使った鮮烈なアクションになっている。4月14日より公開の『黒鉄の魚影』でも黒の組織のメンバー・バーボンとしての活躍に期待が高まる安室の身体能力を改めて体感してほしい。

 ストーリー最終盤では、舞台となる渋谷という土地の構造を活かした大規模なトリックが展開され、それを阻止せんと渋谷の街を縦横無尽に動くコナンたちにハラハラ。そんな作中最も緊張感のあるシーンを一層盛り上げるのは、初期の劇場版作品では欠かさず使用されていた挿入歌「キミがいれば」。本作では16年ぶりに「キミがいれば」が『ハロウィンの花嫁』バージョンとして再起用された。当時の作品に思い入れ深いファンには堪らないテーマソングともリンクした本作ならではのアレンジに胸が熱くなる。往年の『コナン』ファンには特に注目してほしい箇所だ。

 本作は全体を通して古くからのファンでも楽しめるような仕掛けが多いのが特徴と言えるだろう。初期からのキャラクターである佐藤や高木の結婚式や、「キミがいれば」の起用など、初期作を観ているファンならきっと喜んでしまうようなシーンが数多く描かれる。劇場版『コナン』シリーズから離れていたファンは、これを機に改めて『コナン』に触れてみるのも良いだろう。もちろん、安室の活躍や警察学校組の登場など、最近ファンになったという人にも楽しめる作品に仕上がっている。ぜひ『金曜ロードショー』でチェックしてほしい。

■放送情報
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
4月7日(金)21:00~22:54放送 ※初放送
原作:青山剛昌『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:満仲勧
脚本:大倉崇裕
音楽:菅野祐悟
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷徹、高木渉、湯屋敦子、白石麻衣
©2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる