「イタリア映画祭2023」開催決定 マルコ・ベロッキオによる330分の大作の日本初上映も
今年で23回目の開催となる「イタリア映画祭2023」の開催が決定し、上映作品のラインナップが発表された。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、春の開催の中止や会場の変更を余儀なくされていたが、今年は東京会場は4年ぶりとなる有楽町朝日ホール、大阪会場は例年通りのABCホールにて2拠点での開催となる。
上映作品はすべて本映画祭での上映が日本初公開となる。イタリア喜劇のヒット作やスターが出演するエンタメ作品から、国際映画祭をにぎわした映画、LGBTQ+やSDGsをテーマにした作品まで、東京会場では全14作品が取り揃えられる。
オープニング作品は、パオロ・タヴィアーニの『遺灰は語る』。2018年、兄ヴィットリオが亡くなった後に現在91歳の弟パオロが初めて1人で監督した新作が、6月の劇場公開に先駆けて上映される。
第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品されたマリオ・マルトーネ監督作『ノスタルジア』は、アカデミー賞国際長編映画賞イタリア代表作品にも選出された。
アレッサンドロ・ボルギとルイージ・ロ・カーショの共演作『デルタ』は、若手監督ミケーレ・ヴァンヌッチの長編第2作目。厚い霧に包まれたポー川のデルタ地帯を舞台に、移民一家の密漁によって対立する人々を描く人間ドラマだ。
『海と大陸』から11年ぶりとなるエマヌエーレ・クリアレーゼ監督の最新作『無限の広がり』は、ペネロペ・クルスを主演に迎え、1970年代のローマを舞台に、ある家族を通してその絆や愛情について問いかける。
パオロ・ヴィルズィ監督の『乾いたローマ』は、3年経っても雨が降らないローマとその市民はどうなるかのか、危急の問題に大胆な設定で挑み、シルヴィオ・オルランド、ヴァレリオ・マスタンドレア、モニカ・ベルッチらが出演している。
さらに、特別上映作品は3本が揃えられた。ルイージ・ロ・カーショ、エリオ・ジェルマーノが共演、名匠ジャンニ・アメリオによる『蟻の王(仮題)』は、1960年代末同性愛に対する差別がはこびる中、教え子の青年と恋に落ち、投獄された実在の詩人の人生にインスパイアされた物語。
『旅するローマ教皇』は、ジャンフランコ・ロージ監督がローマ教皇の旅の膨大な記録映像と監督による撮り下ろし映像を交えながら、教皇の真の姿に迫る今秋劇場公開予定のドキュメンタリー。
そして、昨年のカンヌ国際映画祭プレミア上映で絶賛されたマルコ・ベロッキオの『夜のロケーション』が、上映時間330分の超大作ながら本映画祭で日本で初上映される。
■上映ラインナップ
A.『スイングライド』
監督:キアラ・ベッロージ
出演:ガイア・ディ・ピエトロ、アンドレア・カルペンツァーノ、バルバラ・キキャレッリ
2022年/96分
B.『あなたのもとに走る』
監督:リッカルド・ミラーニ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ミリアム・レオーネ
2022年/113分
C.『ノスタルジア』
監督:マリオ・マルトーネ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、フランチェスコ・ディ・レーヴァ、トンマーゾ・ラーニョ
2022年/118分
D.『警官ジジのアドベンチャー』
監督:アレッサンドロ・コモディン
出演:ピエル・ルイージ・メッキャ、エステル・ヴェルゴリーニ
2022年/102分
E.『デルタ』
監督:ミケーレ・ヴァンヌッチ
出演:アレッサンドロ・ボルギ、ルイージ・ロ・カーショ
2022年/105分
F. 『無限の広がり』
監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ
出演:ペネロペ・クルス、ヴィンチェンツォ・アマート、ルアーナ・ジュリアーニ
2022年/94分
G.『乾いたローマ』
監督:パオロ・ヴィルズィ
出演:シルヴィオ・オルランド、ヴァレリオ・マスタンドレア、モニカ・ベルッチ
2022年/124分
H.『奇妙なこと』
監督:ロベルト・アンドー
出演:トニ・セルヴィッロ、サルヴァトーレ・フィカッラ、ヴァレンティーノ・ピコーネ
2022年/103分
I.『キアラ』
監督:スザンナ・ニッキャレッリ
出演:マルゲリータ・マッズッコ、アンドレア・カルペンツァーノ、ルイージ・ロ・カーショ
2022年/106分
J.『はちどり』
監督:フランチェスカ・アルキブージ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、カシャ・スムトニャク、ベレニス・ベジョ
2022年/125分
W.『遺灰は語る』 オープニング作品
監督:パオロ・タヴィアーニ
出演:ファブリツィオ・フェッラカーネ、マッテオ・ピッティルーティ、ロベルト・エルリツカ
2022年/90分
以下、特別上映
X.『蟻の王(仮題)』
監督:ジャンニ・アメリオ
出演:ルイージ・ロ・カーショ、エリオ・ジェルマーノ、サラ・セッラヨッコ
2022年/130分
Y.『旅するローマ教皇』
監督:ジャンフランコ・ロージ
2022年/83分
Z.『夜のロケーション』
監督:マルコ・ベロッキオ
出演:ファブリツィオ・ジフーニ、マルゲリータ・ブイ、トニ・セルヴィッロ
2022年/330分
■映画祭情報
・東京会場
会期:5月2日(火)〜5月7日(日)
会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階)
主催:朝日新聞社、イタリア文化会館、チネチッタ
後援:イタリア大使館
※チケットは4月1日(土)12:00からあさチケ(https://l-tike.com/st1/asahi-id-top-29)にて発売。
(座席を選択して購入ができるのは、4月2日0:00から)
前売券:A~Y作品1回券、一般1,500円/学生1,200円、Z作品1回券:一般3,900円/学生3,300円
当日券:A~Y作品1回券、一般1,900円/学生1,600円、Z作品1回券:一般5,000円/学生4,200円
・大阪会場
会期:6月10日(土)〜6月11日(日)
会場:ABCホール(大阪府大阪市福島区福島1-1-30)
※チケットは4月21日(土)12:00(予定)からあさチケ(https://l-tike.com/st1/asahi-id-top-29)にて発売。
主催:朝日新聞社、イタリア文化会館-大阪、チネチッタ
後援:イタリア大使館、イタリア領事館
公式サイト:https://www.asahi.com/italia/
公式twitter:@italianfilmfes