『女神の教室』で知る“被害者学”の厳しい現実 尾上松也演じる風見の常軌を逸した行動

『女神の教室』“被害者学”の厳しい現実

 劇中では、大元の事件の被害者がネット上で誹謗中傷を浴びたことを苦に自殺を図ったのであろうと天野は推察し、その被害者の母親が塾講師に対する誹謗中傷のビラを撒いたことで逮捕されたことに感情を剥き出しにする。仮に法益を侵害されたとて、その加害者の法益を侵害することを許容しては報復を認めることになり、法治国家としては成立しない。安藤(佐藤仁美)が言うように、「弁護士が寄り添うっていうのは、一緒に戦うこと」。その“戦う”ことは一定のルール下でのものであり、そのルールが万能でなければ救済されない者も出てしまうことも否めないと、そこはまだまだ堂々めぐりである。

 そういった意味で、ずいぶんともやもやとした空気(結果的に新たな犯罪被害者を生み、さらに藍井に大怪我を負わせた風見の常軌を逸した行動も含む)に包まれた第9話ではあるが、今回のエピソードをきっかけに“被害者学”という分野が、その存在だけでも知られることになるのは非常に大きいのではないだろうか。

■放送情報
『女神の教室~リーガル青春白書~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:北川景子、山田裕貴、南沙良、高橋文哉、前田旺志郎、前田拳太郎、河村花、佐藤仁美、宮野真守、小堺一機、尾上松也、及川光博
脚本:大北はるか、神田優
プロデュース:野田悠介
演出:澤田鎌作、谷村政樹
音楽:武部聡志
主題歌:Vaundy「まぶた」(SDR)
法律監修:水野智幸(法政大学大学院法務研究科)
制作・著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
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