母と娘の“暴力と依存”の親子関係を描く 韓国映画『同じ下着を着るふたりの女』5月公開へ

『同じ下着を着るふたりの女』公開へ

 第26回釜山国際映画祭コンペティション部門のニュー・カレンツ賞を受賞した映画『同じ下着を着るふたりの女』が、5月13日よりシアター・イメージフォーラムにて公開されることが決定した。

 本作は、中年シングルマザーの母親と20代の娘の、暴力と依存の悪循環に陥った親子関係を描いた人間ドラマ。本作が長編デビュー作となったキム・セインが監督を務めた。

 相手を完全に愛しきることも憎むこともできない“母と娘”の関係を、キム・セイン監督が同じ女性の視点から描き出した本作。母の愛を求める娘側の視点だけでなく、世間が求める良母になりきれない母側の葛藤にもレンズを向け、単なる家庭内暴力や共依存といったテーマに収まらない、ふたりの複雑な感情を捉えた。

 第26回釜山国際映画祭では、コンペ部門のニュー・カレンツ賞を受賞。また、本作が長編デビューとなり娘役で主演したイム・ジホの女優賞など、計5部門で受賞を達成した。以降もベルリン映画祭や東京フィルメックスなどに出品された。

 30歳を目前に控えたイジョンと母のスギョンは、ふたりで団地に同居している。若くしてシングルマザーとなったスギョンは幼い頃から娘に辛く当たり、そんな母に対してイジョンも長年積み重なった恨みを隠しきれずにいた。ある日、買い物に訪れたスーパーの駐車場で二人はいつものようにケンカになり、車から飛び出したイジョンを母スギョンが轢き飛ばしてしまう。スギョンは「車が突然発進した」と警察に説明するが、イジョンは故意の事故だと疑わず、母を相手に裁判を起こす。そんななかイジョンは、会社に新しく入社した同僚スヒの気遣いに触れ、彼女に癒しを求めるようになる。一方スギョンも、恋人ジョンヨルとの再婚の話が進んでいた。ようやくふたりはそれぞれの人生を歩むかに思えたが……。

 あわせて公開された場面写真には、イジョンと母のスギョンが2人で食事をする様子が切り取られている。

キム・セイン監督

■公開情報
『同じ下着を着るふたりの女』
5月13日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開
監督・脚本:キム・セイン
出演:イム・ジホ、ヤン・マルボク、チョン・ボラム、ヤン・フンジュ
配給:Foggy
2021年/韓国/韓国語/カラー/139分/1.85:1/5.1ch/DCP/英題:The Apartment with Two Women/日本語字幕:根本理恵
公式サイト:https://movie.foggycinema.com/onajishitagi/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる