グザヴィエ・ドランが『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』を語る 日本版キーアートも

グザヴィエ・ドラン、初のTVドラマを語る

 グザヴィエ・ドランが手がける自身初のTVドラマ 『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』の日本版キーアートとディレクターズノートが公開された。

 本作は、『マイ・マザー』『Mommy/マミー』『たかが世界の終わり』などのドランによるTVドラマ初挑戦作。同名舞台が原作の本作では、ドラン自身が脚本・監督・製作・出演を務め、30年前に起きた事件とそれにかき乱される家族の姿を、過去と未来を行き来しながらサスペンスフルに描く。

 ディレクターズノートでは、今まで母と息子の親子関係や家族間の確執、疎外された人々といったテーマを中心に物語を描いてきたドランが10年の月日を経て心境に変化があったことを語る。「『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』はホラーとスリラーの要素が強く出ているように見えますが、ヒューマンドラマも描かれています。ラルーシュ家の幸せだった日々、憂鬱な日々、過去のいくつもの過ち、彼らの行く末を決めることになった数々の出来事が綴られています。登場人物たちがこれまで頑なに守ってきた秘密が暴かれることによって、闇に包まれていた悪夢も蘇ります。それは夜見る夢などではなく、彼らの心の傷をえぐり出し、たとえ明るい日差しの中にいても容赦なく付きまとう悪夢なのです」と物語の複雑性について語り、「このドラマには、人間の暴力性のほかに、逆境、恥、憎しみなどに直面した時、それらに屈したことで受けた惨い扱いなどが描かれています。しかし大部分に描かれているのは、我々もかつては子供だったこと、そして、惨い扱いに直面しどんな大人になったのかということです。そこには真実から目を背けるために受け入れてしまった歪んだ依存心、嘘、誤った信念などが描かれているのです」と打ち明ける。
 
 さらにドランはフランスのメディアにて、「私は、映画よりもテレビの方が好きなんだと思います。TVシリーズを作る事の方が自分にとっては自然だと言ってもいいくらいです。時間をかけてシナリオを構築していくのは、とてもシンプルで気持ちのいいものでした。もしそうだとしたら、私は映画の監督というより、ショーランナーですね」(Premiere)とTVシリーズとの親和性を率直に語り、一方で「『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』は私にとって誇りです。ただ、今は同時に空虚さも感じています。この作品に全身全霊を捧げ、そしてついに私の全てを語り尽くしてしまったんです。だから今の私にとって必要なのは、長い休みと変化、それに静寂や休息、プライバシーだと思っています」(France Inter)、「友人や家族との親密な時間を過ごしたいです」(Premiere)と心情を吐露している。

 公開された日本版キーアートは大島依提亜が手がけた。

■配信・放送情報
海外ドラマ『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』字幕版(全5話)
Prime Video「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて、2月24日(金)より配信 毎週金曜1話ずつ更新
BS10 スターチャンネルにて、3月6日(月)23:00より放送 毎週月曜23:00〜ほか
※3月5日(日)21:00より字幕版第1話先行無料放送
監督・脚本・製作・出演:グザヴィエ・ドラン
音楽:ハンス・ジマー、デヴィッド・フレミング
出演:ジュリー・ルブレトン、パトリック・イヴォン、アンヌ・ドルヴァル、エリック・ブルノー、マガリ・レピーヌ・ブロンドー、ジブリル・ゾンガほか
©Fred Gervais
公式サイト:https://www.star-ch.jp/drama/lauriergaudreault

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