松村北斗と上白石萌音が『カムカム』以来の再共演 三宅唱監督で『夜明けのすべて』映画化

松村北斗×上白石萌音×三宅唱が映画でタッグ

 SixTONESの松村北斗と上白石萌音のW主演で瀬尾まいこの小説『夜明けのすべて』が映画化され、2024年2月に全国公開されることが決定した。

 映画化もされた『そして、バトンは渡された』で2019年本屋大賞を受賞した瀬尾の小説『夜明けのすべて』(水鈴社刊)。瀬尾自身のパニック障害の経験をモチーフにした本作は、ロングセラーとして支持を集め、累計発行部数は9刷5万2千部(2023年2月13日時点)を突破した。そんな話題作を映画化する本作で監督・共同脚本を務めるのは、2022年に公開された『ケイコ 目を澄ませて』が、第72回ベルリン国際映画祭に出品されるなど国内外で高評価を得た三宅唱。原作にオリジナルの要素を加え、16mmフィルムで撮影を行った。

 W主演を務めるのは、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音。以前は仕事も恋も順調だったが、パニック障害を患ったことで人生が一変、電車や美容室など逃げ場がない場所に行けなくなってしまった主人公・山添孝俊を演じるのは松村。人気グループSixTONESのメンバーとして活躍する一方、俳優として話題作に多数出演、昨年の大ヒット作『すずめの戸締まり』(新海誠監督)では、ヒロインを支え、物語のキーパーソンとなる宗像草太で声優に初挑戦。映画『ホリック xxxHOLiC』では第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。

 また、普段はおおらかな性格であるが、PMS(月経前症候群)によって月に一度、イライラが抑えられず、怒りを爆発させてしまう、もう一人の主人公・藤沢美紗を演じるのは、上白石。橋本環奈とW主演を務めた舞台『千と千尋の神隠し』に出演し、1月25日には自身初となる東京・日本武道館公演『MONE KAMISHIRAISHI 2023 at BUDOKAN』を開催するなど、俳優・歌手として多面的な活躍を見せている。

 多方面で大活躍する二人の起用理由について、井上竜太プロデューサーは、「山添くんは一見クールで繊細、心根は優しいキャラクターで、まさに松村さんだと思いお願いしました。藤沢さんを演じた上白石さんは、原作の優しい世界を体現出来る人。ご本人も原作の大ファンで快諾頂きました。お二人とも原作小説から抜け出したかの様にリアルに魅力的に演じてくれました」と語っている。映画としては初共演となる松村と上白石が、今回は同僚役で、いわゆる友達とも恋人とも違うが、最高の理解者となる特別な関係性に挑む。

 月に一度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢美紗(上白石萌音)は、転職してきたばかりにもかかわらず、やる気がなさそうに見える同僚・山添孝俊(松村北斗)のある小さな行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。自己嫌悪に陥る美紗だったが、実は山添がパニック障害を患い、様々なことをあきらめて、生きがいも気力も失っていることを知る。職場の人たちの理解に支えられながら、友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく二人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。人にはその悩みを理解されにくい症状を抱え、生きづらさを感じながら社会生活を送る山添と美紗。互いの事情と孤独を知った二人は、相手のすべてを理解できるわけではないけれど、生きづらさを抱える者同士、遠慮のない素の自分で関わり合うことで、少しずつ希望を見出していく。

 バンダイナムコフィルムワークスとアスミック・エースが共同配給を行う本作は、2022年末に本編撮影が終了しており、現在編集中となっている。

コメント

松村北斗(山添孝俊役)

実はお話をいただいたのは結構前だったので、やっと動きだした今、とても嬉しく思っています。まず原作を読ませていただいた時に、素敵な物語と文章の面白さであっという間に読み終えてしまったのですが、脚本では新たな要素が加わり、でも本作の持つ温かさはもちろん変わらずにそこにあって、改めてすごい脚本だなと感じながら演じました。そして今回、藤沢さんを演じられた上白石さんとは再共演となります。山添くんと藤沢さんは、形容しがたい特別な関係性で難しい部分もありましたが、上白石さん演じる藤沢さんの存在があったからこそ、とても自然に山添くんの日常に溶け込むことができました。三宅監督とは沢山会話させていただいたことが印象に残っています。とても心地の良い距離感で接して下さるので、毎日現場に行って撮影するのが本当に楽しみで撮影が終わる時は寂しい気持ちでいっぱいでした。未来に希望が持てるような作品をお届けしたいと思いますので楽しみにしていてください。

上白石萌音(藤沢美紗役)

『夜明けのすべて』は元から大好きな小説でしたが、撮影現場は小説がそのまま現実になったかのような空気感でした。三宅監督の深く心強い全方位への愛、松村さんの悔しいくらい素敵なお芝居、隅々までこだわり抜かれた現場。これ以上ないほど贅沢な環境で、緻密な会話を重ねながら藤沢さんを演じた日々でした。できることならタイムスリップしたいくらいです。公開を楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

監督:三宅唱

この場を借りて、かけがえのない小説の映画化を許可していただいた瀬尾まいこさんに心より御礼申し上げます。ありがとうございました。撮影現場では、山添くんと藤沢さんを演じる二人の真摯な姿から、生きることの切なさや可笑しさやまだ言葉にならないものを受け取り、いつしか気持ちのいいエネルギーまでもらいました。それらは必ずや映画館のスクリーンを通して多くの方にも伝わるはずだと信じています。幅広い年代の、ユニークという言葉には収まらない役者たちとともに、またタフで軽やかなスタッフたちとともに、真剣に悩みながら、時にはなんとか笑いを堪えながら、この時代に新たな挑戦ができたことを光栄に思います。この物語を必要としているはずのさまざまな方たちに届けられるよう、スタッフ一同、完成に向けて大切に進めていきます。

原作:瀬尾まいこ

数年前突然パニック障害になり、楽しみが不安に変わる日々がやってきました。うまくいかないことが多い中、それでも、助けてくれる誰かがいて、明日を待ち遠しく感じることができています。
『夜明けのすべて』は、そんな中できあがった作品で、楽しんで書いている普段とは違い、ゆっくりと立ち止まりながらも書き進めていった物語です。
映画化され、物語の世界に触れられることをうれしく思います。また、見ていただいた方にとってほのかな光がちりばめられた温かいものになればいいなと楽しみです。

©︎瀬尾まいこ『夜明けのすべて』水鈴社刊

■公開情報
『夜明けのすべて』
2024年2月 ロードショー
出演:松村北斗、上白石萌音
原作:瀬尾まいこ『夜明けのすべて』(水鈴社刊)
監督:三宅唱
脚本:和田清人、三宅唱
企画・制作:ホリプロ
制作プロダクション:ザフール
配給:バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース
製作:『夜明けのすべて』 製作委員会
©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
公式サイト:yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp
公式Twitter:@yoakenosubete
公式Instagram:@yoakenosubete_movie

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる