『星降る夜に』人それぞれの幸せで心を温める登場人物たち 言葉の刃が吉高由里子に迫る

『星降る夜に』登場人物それぞれの幸せの形

 特に男性陣の可愛げが繊細に描かれていることを、もはや触れずにはいられない。一星の声に出さなくても伝わってくるほど感情が見える表情は、彼が世界中どこにいても愛されるのが痛いほどわかる。かと思えば、第4話では曇った窓に指で「ス」と書いたと思ったら、「スキ」ではなく「ステイ」という変化球で翻弄してくる。でも、その真意は「手話の勉強がんばりすぎ」という気遣いからだったのもニヤついてしかたない。

 また、可愛げ選手権で一星とトップを並走しているとも言えるのが深夜だ。端正な雰囲気とは打って変わって天然な言動のギャップがたまらない。第3話では酔っ払った鈴を送ると言いながら自分の方がありえない転び方で笑いを誘ったり、第4話でもカイロをシャカシャカと振って鈴の手をそっと包んだのに鈴からもらった缶コーヒーを助産師の志信(長井短)に渡してしまったりと、ちょっぴり残念なところがまた愛らしいのだ。

 一方、辛い過去を語るパートでは思わず抱きしめたくなるほど弱っていた春だが、やっぱり今のポラリスではしっかり者でありながら冗談が通じるキュートなキャラクターだ。桜が一星のデオドラントシートを見つけたときには、自分のだと言って隠すなんていう男子同士のさり気ない優しさも光っていた。

 それぞれの傷を抱えながらも、毎日の小さな幸せで心を温めながら生きている彼ら。ようやく乗り越えたと思っても、過去の悲しみが突然襲いかかってくることもある。生きるほどに苦しい、そんなふうに思えてしまう瞬間もある。お互いに傷ついてきたからこそ、誰かが苦しんでいるときには「何かしてあげたい」と悩み、「何もできない」と落ち込み、「それでもそばにいたい」と寄り添う。どうか、痛みを知る愛らしい彼らの力で次回、窮地に陥る鈴の笑顔が守られることを願ってやまない。

■放送情報
『星降る夜に』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:吉高由里子、北村匠海、ディーン・フジオカ、千葉雄大、猫背椿、長井短、中村里帆、吉柳咲良、駒木根葵汰、若林拓也、宮澤美保、ドロンズ石本、五十嵐由美子、寺澤英弥、光石研、水野美紀
脚本:大石静
監督:深川栄洋、山本大輔
ゼネラルプロデューサー:服部宣之
プロデューサー:貴島彩理、本郷達也
音楽:得田真裕
制作:テレビ朝日、MMJ
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni/
公式Twitter:@Hoshifuru_ex
公式Instagram:@hoshifuru_ex

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