兄弟W結婚の新田真剣佑&眞栄田郷敦、俳優として共通する誠実さ 近年の大活躍を振り返る

新田真剣佑&眞栄田郷敦に共通する“誠実さ”

 そして新田の弟である眞栄田はまだデビューからたった4年。眞栄田はその短い期間の中で、確かな存在感を多くの作品で残してきている俳優だ。『カナカナ』(NHK総合)では、人の心が読める少女・佳奈花(加藤柚凪)と過ごすことになる元ヤンのマサを演じ、優しさと強さをもった人物を見事に表現した。

 さらに、民放ドラマとして挑戦的なテーマで話題作となった『エルピス —希望、あるいは災い—』(カンテレ・フジテレビ系)では、大きな闇を抱えた冤罪事件に巻き込まれ、世の中の欺瞞に気づき迫っていくことになるテレビディレクター・岸本拓朗という作品のキーマンに抜擢される。物語の最初は何も知らずにただ冤罪事件に首を突っ込むだけの、ある種お気楽な一般人としての振る舞いをしていた。しかし、徐々に核心に近づいていくにつれて、頬はこけて無精髭を生やし、うつろな目を浮かべる、まさしく“別人”に成り果てる演技は圧巻そのものだった。

『エルピス』における“希望”の礎となった岸本拓朗 眞栄田郷敦が見せた俳優としての実力

「もう君、最高!」  『エルピスー希望、あるいは災いー』(カンテレ・フジテレビ系)の最終回で、恵那がそう言って拓朗を抱きしめた…

 現在はNHK大河ドラマ『どうする家康』に武田勝頼役で出演が決まっているほか、2023年に2部作として公開される映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 –運命-/-決戦-』にも、1作目に続き三ツ谷隆役での出演が決定している。兄弟であるだけで同じキャリアを歩むものでは全くないが、眞栄田が国際的な作品に出演する様子もいつか見てみたいものだ。

 さて、この新田と眞栄田それぞれに共通するのは、個性的なキャラクターを完全に自分のものにして演技をする点だろう。この2人の演技を見て、「(役が)浮いてしまっている」と残念な思いをすることは全くない。それだけ2人が役作り、さらにいえば俳優業に対して誠実なことの証左でもあり、話題作となる作品で求められる人材である所以だろう。

 そうした誠実さを持ち合わせる2人が、同時に結婚発表。こんなに喜ばしいことはない。1人の映画ファンとしてはこれからも味のある演技を見せ続けてくれることに期待しつつ、2人が末長く幸せであることを願うばかりだ。

■公開情報
『ナイツ・オブ・ザ・ゾディアック』
2023年、全世界公開予定
出演:新田真剣佑、ショーン・ビーン、ファムケ・ヤンセン、マディソン・アイズマン、マーク・ダカスコス、ディエゴ・ティノコ、ニック・スタール ほか
監督:トメック・バギンスキー
原作:車田正美『聖闘士星矢』(集英社)
製作・制作:東映アニメーション
日本配給:東映
©2023 TOEI ANIMATION CO, Ltd.
公式サイト:kotzmovie.jp

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