『罠の戦争』草彅剛が復讐に燃える議員秘書に かつてない熾烈な闘いが待ち受ける
1月16日にスタートした『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)は、第1話からただならぬ嵐の予感を漂わせた。『銭の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)、『嘘の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)に続く“戦争シリーズ”の第3弾にして、草彅剛にとって実に6年ぶりとなる民放連ドラ主演作は、前2作と同じく家族を奪われた男の復讐劇を描く。
『罠の戦争』の舞台は政界。主人公の鷲津亨(草彅剛)は犬飼大臣(本田博太郎)の秘書だ。多忙な毎日を送る鷲津の楽しみはたまの休みに家族と訪れるキャンプで、妻の可南子(井川遥)、一人息子の泰生(白鳥晴都)と幸せな家庭を築いていた。そんなある日、犬飼主催のパーティーの最中に、鷲津は可南子から泰生が歩道橋から転落したと知らされる。パーティーを抜け出して向かった病院で、鷲津は意識不明の我が子と対面。可南子によると何者かに突き落とされたのだという。いったい誰が、何のために? 不審に思う鷲津に見舞いに訪れた犬飼は「泰生くんの件は事故だった」と話す。
「泰生くんは誤って歩道橋から落ちた。不幸な事故だった。そういうことにしてくれ」と犬飼。まるで犯人を知っているかのような口ぶりに、鷲津の疑念は深まるばかり。しかし犬飼は「この世界じゃよくあること」としらを切る。表向き犬飼を許したかのように見える鷲津は、犬飼と背後にいる黒幕への復讐を誓った。女性蔑視の発言で世間のひんしゅくを買った犬飼に対して、政策秘書の虻川(田口浩正)がハラスメントの常習犯であることを知る鷲津は、虻川が私設秘書の梨恵(小野花梨)にハラスメントを行っている現場に厚生労働大臣の鴨井(片平なぎさ)を居合わさせ、週刊誌記者の熊谷(宮澤エマ)に報じさせることで犬飼を窮地に追い込んだ。
腹心の部下で面倒ごとを一手に引き受けていた鷲津は、犬飼にとっていざとなればいつでも切り捨てることのできる駒にすぎない。秘書という弱い立場にある鷲津に「代わりはいくらでもいる」と言い、濡れ衣を着せられたくなければ要求を呑むように迫る犬飼は、恫喝と泣き落としを交互に繰り出しながら、有無を言わさない圧力を全身から発していた。鷲津は決して屈したわけではない。自分を拾ってくれた犬飼に恩を感じていたことは復讐をためらわせる理由になったし、もしこれが自分自身のことなら矛を収めていたかもしれない。何の罪もない息子を巻き添えにされたことへの怒りが鷲津に復讐を決意させた。