冨永愛、『大奥』徳川吉宗は自分に似てる? 夢だった時代劇のオファーを受けて

『大奥』徳川吉宗役、冨永愛インタビュー

 よしながふみ原作による連続ドラマ『大奥』が、1月10日よりNHK総合にて放送開始となる。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描く本作。そのプロローグに当たる「8代・徳川吉宗×水野祐之進編」の徳川吉宗役に抜擢されたのが、近年は俳優としても活躍するモデルの冨永愛だ。ずっと夢だったという時代劇出演の感想はいかに。収録に向けた役作りや、歴史を好きになったきっかけについても話を聞いた。

中島裕翔は、真面目でストイックな好青年

――徳川吉宗役でオファーを受けた時の心境は?

冨永愛(以下、冨永):実は当初、何役かわからない状態でオファーをいただいたんですね。役が決まるまでの間、よしながふみさんの原作を拝読したんですが、自分でも最初は「あーこれは吉宗っぽいなぁ」と(笑)。ただ結構な大役なので、違うだろうと思ってたんです。そしたらやっぱり吉宗役で。大変だろうけど、とにかく精一杯やろうと覚悟を決めました。

――具体的にご自身が「吉宗っぽい」と思われたところを教えてください。

冨永:完全に消去法ですね! 家光でも綱吉でもないですし……。側用人なら可能性はあるかなと思ったんですが、あまりにも吉宗とパブリックイメージの冨永愛と共通する部分が多かったんです。男勝りなところも似てるし、吉宗のようにスパッと決断するイメージを私も持たれているのかなと。

――男女逆転のお話に関してはどのような印象を持たれましたか?

冨永:やっぱり私たちがイメージする将軍は男性なので、最初は違和感がありましたね。でも、よしながさんのお力で実際に起きた出来事がうまく脚色されていて、読み終わった時には「実は本当にそうだったんじゃないか?」と思うくらいのリアリティを感じました。

――冨永さんは今回が初めての時代劇ということで、撮影に向けて何か事前に準備されたことがあれば教えてください。

冨永:以前から時代劇に出演するのが夢だったので、個人的に殺陣や乗馬を習いながら来たるべき時に備えてきました。このお話をいただいてからは、徳川吉宗の人物像を知るために、彼の伝記や文献、小説を読んだり、実際に和歌山県にある吉宗ゆかりの場所にも行ってきましたね。

――実際に撮影に入られて、いかがでしたか?

冨永:とにかく楽しかったです。常に日光江戸村にいるみたいな感じで(笑)。歴史が好きなので、美術スタッフの方々が細かいところまでこだわって作ったスタジオのセットを眺めながら「わ~こんな感じになってるんだ!」っていちいち感動してました。

――逆に苦労した点や大変だったことはありますか?

冨永:一番難しかったのが歩き方でした。私は普段、ヒールを履いてランウェイを歩いていますが、その歩き方とは全く違うわけです。当時はもちろん、ヒールなんて履きませんし、その時代の人特有の歩き方がありますよね。それに私は、歩き方って生き様だと思っているんです。歩き方にその人の性格や考え方が現れる。本作における吉宗は女性ですが、男勝りな性格なので大股で歩くでしょうし、史実として吉宗は武術が達者な人だったと聞いているので、それ相応の歩き方があるかと思います。その辺りを監督や所作指導役の方と相談しながら、できるだけ吉宗っぽい歩き方を模索しました。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

冨永:収録が夜遅くまでかかる時もありますが、しーちゃん(貫地谷しほり)や中島(裕翔)くんとも仲良くさせていただいて、雰囲気はとてもいいです。作中では吉宗とバチバチやっている藤波ですが、演じる片岡愛之助さんとも現場では楽しく過ごしていますよ。

――今回が初共演となる水野役・中島裕翔さんの印象をお聞かせください。

冨永:中島くんは非常に真面目で、ストイックな好青年です。撮影に入る前の過ごし方ってそれぞれの性格が出るもので、すごく集中している方もいれば、そのままの状態で役に入れる方もいて、本当に十人十色なんですね。中島くんの場合は、シーンの合間も一人でベンチに座って、役作りに集中されています。そういう姿を見て、私も吉宗役としてその思いをしっかり受け止めてお芝居をしなきゃいけないなと改めて思わされました。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる