『舞いあがれ!』高橋克典の不在を実感する15分間 経営者としてめぐみが選ぶ未来とは?
会社を何とか立て直さなければという心労がたたったのか。倒れたまま帰らぬ人となってしまった浩太(高橋克典)。あまりに急で気持ちの整理がつかぬまま、幕を開けた『舞いあがれ!』(NHK総合)第15週初日の放送は、少しずつ浩太の不在を実感する15分間となった。
訃報は祥子(高畑淳子)にも伝えられる。葬儀に参列するための準備中、思い出すのは進路で悩む舞(福原遥)を迎えに浩太がめぐみ(永作博美)とともに五島を訪れた時のこと。
「僕、めぐみさんを幸せにするつもりが幸せにしてもろてました」
どうせすぐ逃げて帰ってくると思っていたのに、浩太と駆け落ちしためぐみから長い間一切連絡がなかった。寂しいけれど、めぐみは幸せを手に入れたのだろう。その思いが、浩太の言葉で確信に変わった。あの時、娘のそばにいてくれて良かったと心から思った浩太はもういない。
誰よりも愛する夫を亡くす苦しみが分かる祥子は、めぐみをそばで支えるために五島にいた貴司(赤楚衛二)とともに東大阪へ向かう。そこには、すっかり憔悴しきっためぐみの姿があった。葬儀を終え、浩太の遺骨を前にめぐみは「お母ちゃんよう耐えられたねえ。お父ちゃん死んだとき」と絞り出すように呟く。
祥子が正気を保っていられたのは、めぐみがいたからだ。めぐみを一人で育て上げるために必死だった。やるべきことなら、めぐみにもある。子どもたちはもう成人しているが、浩太が必死に守ろうとした会社や従業員たちをどうすべきか。悠人(横山裕)はいち早く工場を売ることを勧めるが、めぐみは心が追いついていかない。無理もないが、悠人の言う通り、状況は刻一刻と悪化していくばかりだ。
融資を受けていた信用金庫から、会社をたたむ選択肢を提示されるめぐみ。今すぐに会社を売れば、借入額を全て返済できる可能性があるものの、決断が遅くなれば、資産価値が下がり借金が残るかもしれないのだという。