佐々木美玲、日向坂46随一の演技派アイドルに 持ち前の愛嬌でユニークな女優として躍進

 日向坂46の躍進が止まらない。4年連続で『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出演し、最近はメンバーの影山優佳がサッカーW杯関連の番組で連日メディアに引っ張りだことなるなど、今や国民的アイドルグループと言える活躍ぶりを見せている。しかし、女優として活躍しているメンバーは、坂道グループの先輩である乃木坂46に比べるとまだ多くはない。2022年に2期生だった渡邉美穂が女優を目指しグループを卒業したが、アイドル人気と彼女たちのポテンシャルからすれば、もっと女優としての活躍があってもおかしくない。

佐々木美玲

 そんな折に、1期生の佐々木美玲が、舞台も上演されるドラマ『ぴーすおぶけーき』(日本テレビ)、 ミュージカル『SPY×FAMILY』に出演。 日向坂46内では天然キャラだが、バラエティ番組への出演やモデルとしての活躍、そしてラジオパーソナリティーを務めるなど芸達者な一面もあり、 ここで女優としての道が開けたのは必然の展開とも言える。そこで、佐々木のこれまでの活躍を振り返ってみたい。

 佐々木の女優としての才能が垣間見えたのが、2020年に放送された日向坂46主演のドラマ『DASADA』(日本テレビ)での岡田いちご役だ。眼鏡姿の優等生で、普段は冷めた目つきでクールだが、実は人一倍仲間に思い入れがある天邪鬼な役で、ツンデレの演技を見せていた。横浜アリーナでのライブイベント『日向坂46×DASADA Fall&Winter Collection』での『DASADA』の番外編となる朗読劇では、渡邉美穂との思いをぶつけ合うシーンで途中から台本を捨てて涙を流しながら熱演。朗読劇というジャンルを超えた女優同士の戦いは、緊張と感動を呼んだ。

 2021年に配信された『賭ケグルイ 双』(Prime Video)では、生徒会風紀委員長の聚楽幸子の家畜である佐渡みくら役を演じた。みくらは、普段は相手を小馬鹿にするような仕草でツンとしているが、聚楽に仕えることの喜びで、責めれられるとデレてしまうドM体質という、内面の起伏の激しい役。クールだけどかわいいところが垣間見えてしまうキャラは佐々木が得意とするところで、癖が強いキャラばかりの退廃的な世界観に、ビジュアル的にもマッチした存在感を見せた。

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 その後も演技の経験を重ねてきた佐々木は、2021年の日向坂46主演ドラマ『声春っ!』(日本テレビ)で主人公・日ノ輪めいこを演じる。コンプレックスを抱えながらも声優という夢を追う青春劇で、終盤の最終オーディションのシーンで「私は適役ではない」というセリフを言う時の爽やかな表情が印象的だった。1クールで描かれた日ノ輪めいこの成長や変化を、演技でしっかり見せていた。これまでのツンとした役とは違い、佐々木がライブで見せるような、心の声を届けるエモーショナルなパフォーマンスと一緒だったように思う。

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