葵揚、『舞いあがれ!』で確かな演技力を証明 古舘寛治との一コマは劇中屈指の名シーンに

葵揚、『舞いあがれ!』で確かな演技力を証明

 年末年始の中断期間を経て、1月4日より再開したNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』。物語は、主人公・舞(福原遥)の父・浩太(高橋克典)が経営する株式会社IWAKURAがリーマンショックの影響で大打撃を受け、不穏な空気が漂っている。

 舞が幼少期の頃は、従業員も数名のいわゆる「町工場」だったが、時代とともに成長を遂げ、新工場を設立、多くの従業員を抱える株式会社IWAKURAとなった。

 そんなIWAKURAを10年以上にわたり支え続けている従業員のひとりが、葵揚演じる“章にいちゃん”こと結城章だ。幼少期の舞(浅田芭路)が模型飛行機作りに苦戦していた頃、優しくアドバイスしてくれていたのをはじめ、第1話から度々登場。舞が大学生となり、「なにわバードマン」の面々を工場に連れてきた際には、「あれくらいの年頃の子やったら、みんな親に隠れて付き合うてるでしょ」と浩太を不安な気持ちにいざなうこともあった。

 先代の時代から浩太を支え続けてきた笠巻(古舘寛治)の一番弟子として成長を遂げ、気がつけばIWAKURAにとって欠かせない存在となった結城。舞にとっても、大学で知り合った刈谷(高杉真宙)や、恋人となった柏木(目黒蓮)はもちろん、ばんばこと祥子(高畑淳子)よりも実は付き合いが長い存在なのだ。劇中で年齢は明かされていないが、舞が小学生の頃に18〜20代前半だったと仮定すると、現在は30代前半から中盤といったところだろうか。

 結城を演じる葵は、現在27歳。決して出番は多くないながらも、時代ごとに結城の成長を演じ分けており、実年齢より上であろう現在の結城としても、初登場時にはなかった貫禄を滲み出している。結婚をして3人の子供もいるという設定も違和感はなく、他社からの引き抜けを受けてどんな選択を取るべきかという、家族とIWAKURAを大切に思うからこその苦悩を丁寧に表現している。

 面白い朝ドラは主人公以外の登場人物たちの人生も、物語の行間から見えてくることが多い。昨年末に描かれた笠巻と結城の会話もそのひとつであり、彼らが積み重ねてきた職人としての月日が詰まった名シーンのひとつだった。

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