『カジノ』チェ・ミンシク×イ・ギュヒョンが見せる“光と闇” 圧巻の映像演出も

カジノ王の波瀾万丈人生を描く『カジノ』

 ムシクの幼少期から青年期へと過去を描いていく中で、彼の人生に多大なる影響を与えた父親は“将軍”と呼ばれる有名なヤクザだ。刑務所に何度も入るような人物で妻を殴り、家で賭博場を開き、薬物に溺れる父のそばで育つムシク。そんな父から離れられず虐げられて暮らす母を守るムシク。学生時代には、その才能を見出した高校の先生との出会いにより、彼の人生に明るい希望が見えたかに思えた。その矢先に、先生が変わってしまいムシクの輝かしく見えた未来の扉は閉じてしまう。

 青年期のムシクを演じるのは、『刑務所のルールブック』でユ・ハニャンとして愛されたキャラクターを演じたイ・ギュヒョンだ。カン・ユンソン監督はキャスティング秘話として、チェ・ミンシクの若い頃の写真を見てイ・ギュヒョンに似ていると思ったと明かした。(※)さらに本作では、ムシクの若い頃として、最新のAI技術でチェ・ミンシクとイ・ギュヒョンの顔を自然に連結させ活用しているそうで、観ていて若い頃のムシクと現在のムシクがオーバーラップするような気がしたのも納得だ。

『刑務所のルールブック』でハニャン役を演じるイ・ギュヒョン(tvN公式サイトより)

 このイ・ギュヒョンが演じる若きムシクがすこぶるいい。子どもの頃から苦労してきたムシクが、青年期になり、ここでも環境のせいでさらに苦労しているのだが、腐らず、情に厚く、義侠心のある姿に肩入れし、ムシクを好きにならざるえないのだ。こんなに頑張っているムシクだから、日の目を見てほしい、幸せを掴んでもらいたいと思わずにはいられない。

 大学卒業後、英語塾を経営していたムシクが、人から薦められてカジノの世界に足を踏み入れていく。そこから人生の崖っぷちに追い込まれていき、起死回生のイチかバチかの賭けに出るというのが大枠のストーリーだ。ディズニープラスでは第1話から第3話までを一挙配信し、毎週水曜日に1話ずつ配信されていく。

 第3話までの物語の中でも、ムシクの波乱万丈ストーリーはすでに始まっている。第1話から第3話までの物語の中でも、際立っているのが、“人との出会い”だ。人との出会いが運んでくるものが、その人間の人生や運命を大きく変えることになる。両親との出会い、学生時代の先生の登場、妻との出会い、そしてソクチュンとの出会いでムシクの人生航路が大きく舵を切り始めた。第1話でその姿を見せたイ・ドンフィ以外は、ソン・ソックも、ホ・ソンテもまだ登場していない。彼らがどんな姿でムシクの前に登場し、ムシクとどんな縁を紡ぎ、人生にどんな影響を与えるのかが楽しみでならない。

 どんな役柄を演じても、その身から放たれる圧倒的なオーラと、熱量、磁力を持ち、観るものをその世界に引きずり込んで離さない強烈なカリスマ、チェ・ミンシク。ソン・ソックもホ・ソンテも存在感の強い俳優たちだ。彼らが同じ画面に並んだとき、どんなシナジーを観ることができるのかワクワクしている。

 本作の演出やアクションは映画クオリティであり、ドラマであることを忘れる映像演出だ。さらに強烈なストーリーに、スピーディーな展開と今後が楽しみでならない。第1話でムシクが言葉にした「権力も人生も全て無常なもの」、その言葉が物語の今後を暗示しているようにもとれる。カジノビジネスに足を踏み入れたムシクが、政財界へと人脈を繋ぐまでになる、成り上がる姿に高揚させられる展開と、カジノ世界や人生の諸行無常を描くのかにも期待したい。

参考

※ https://n.news.naver.com/entertain/article/108/0003111239

■配信情報
『カジノ』(シーズン1全8話、シーズン2全8話)
ディズニープラス スターにて独占配信中
演出:カン・ユンソン
脚本:カン・ユンソン
出演者:チェ・ミンシク、ソン・ソック、イ・ドンフィ、ホ・ソンテ
© 2022 Disney and its related entities

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