飯豊まりえ、泉京香役が他仕事にも多大な影響？　3年目の『岸辺露伴は動かない』を終えて

泉京香役が生み出した“お洒落な飯豊まりえ”

――「ホットサマー・マーサ」は2022年3月に発表された荒木飛呂彦先生の新作エピソードで、原作では「富豪村」以来に泉京香が再登場した話でもあります。

飯豊：荒木先生の原作に泉くんが露伴先生の担当編集として再登場していたのが、とても嬉しかったです。ドラマでは露伴先生が担当を変えることなく泉くんとともに仕事をしているという設定でしたが、実際に漫画では描かれていなかった部分だったので、「ホットサマー・マーサ」を初めて読んだ時は驚きました。

――飯豊さんは、演出の渡辺さんとは朝ドラ『まれ』（NHK総合）で一緒だったんですよね。

飯豊：そうです。15歳の時に。

――『まれ』は2015年に放送された朝ドラなので、それから7年来の関係性となります。

飯豊：振り返ると、自分のターニングポイントではいつも一貴さんとお仕事をさせていただけているように感じます。一貴さんは、芸能界のお父さんみたいな存在です。

ーー泉京香の役では原作のディテールを見事に実写として昇華させた衣装を着用していますが、2022年に放送された『恋なんて、本気でやってどうするの？』（カンテレ・フジテレビ系／以下『恋マジ』）での真山アリサも、朝ドラ『ちむどんどん』（NHK総合）の大野愛も、どちらもファッショナブルなキャラクターを演じていました。

飯豊：『ちむどんどん』はファッションが好きな女の子だったので、衣装部の方が「とにかくかわいいお洋服を着させたい！」と言ってくださって、用意していただいたんです。『恋マジ』も、同性から見ても憧れるような女性像を描きたいということで、ファッションが好きという役柄でした。『岸辺露伴は動かない』を観てくださった影響で、泉くんとは違う角度から素敵なお洋服を着させたいとおっしゃってくださる方が増えました。もしかしたら泉くんのおかげで、モデル業にもいい相乗効果が生まれているかもしれません（笑）。

ーーそれぞれ泉京香から派生した役のイメージとも言えそうですね。2期の終わりのエピソード「六壁坂」ラストで京香が宣言する「岸辺露伴、次回作……きっと傑作！」というセリフが好きなのですが、今作の「ジャンケン小僧」でもラストに作品全体を次に推進していくようなキャラクターとして位置しています。飯豊さんは泉京香というキャラクターをどう捉えていますか？

飯豊：1期の頃は、露伴先生のことを全く気にしていないなと感じるところもありましたが、3期では露伴先生を担当編集としてサポートする側に回っていて、ちょっと頼もしくなっていました。泉くんは、なりふり構わず思ったことをそのまま発言しているように見えるのですが、繊細なところもあって、意外と人のことを見ていたり、いつも露伴先生のことを心配しているんです。彼女の言動には悪気は一切なくて、演じる上で、いやらしさやぶりっ子感もない、ただただ「純粋に物事をはっきり伝える人」を意識していました。泉くんは露伴先生を支えられる人物でもあるし、悪気なく巻き込んで困らせてしまう面白さもある。改めて、泉京香という役柄を演じさせていただけてよかったと思います。

■放送情報
『岸辺露伴は動かない』NHK総合にて放送
第7話：12月26日（月）22:00:～22:54放送
第8話：12月27日（火）22:00:～22:54放送

出演：高橋一生、飯豊まりえ、古川琴音（第7話ゲスト）、柊木陽太（第8話ゲスト）
原作：荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない』
脚本：小林靖子
音楽：菊地成孔
人物デザイン監修：柘植伊佐夫
演出：渡辺一貴
制作統括：斎藤直子、土橋圭介、ハン サングン
制 作：NHK エンタープライズ
制作・著作：NHK、ピクス
写真提供＝NHK

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